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第14章 振り向けば・・・いつも君だけが

『桜子の家とか何とか言う前に…

オレは・・・桜子に…釣り合わないよ』





『それは…結局、家のことじゃない』





『ちがう。…オレは桜子自身を見て

その…生まれた環境に逆らわずに

家を守る覚悟って言うのかな・・・

オレには知らない世界で

桜子はすごいと思った

本当にオレは桜子を尊敬してるよ』





『・・・っ…

あたし・・・家なんか…病院なんか

継がなくても良いって思ってるよ

お前が男だったら良かった～なんて

散々言われて育って…もう…うんざり

あたしの人生だもの・・・

あたしのやりたいこと・・・それに

あたしの…一緒にいたい人と・・・

・・・だから・・・だから

家なんか捨てても良いんだから』






『ふ・・・～・・・サクラコ？

だから、ね・・・∥それ∥がダメなんだ』






『ぇ・・・』







『桜子に・・・そんな、強い桜子に

優しさと…責任感の塊みたいな人に

∥そんなこと∥を言わせるオレは

ダメな男なんだよ』





『・・・～～～』





笑顔のまぶしい人から

笑顔を奪ってしまうようなオレだから







『桜子の隣に・・・オレは

ちっともふさわしくない』






『慶悟・・・』






『強い覚悟と責任感をもって

色んなものと闘って生きてきた桜子に

向上心も…将来のビジョンもない

その場その場に精一杯な

その日暮らしみたいな…オレは

とても釣り合わないよ

それは…ずっと引け目に感じてた

だから桜子のせいなんかじゃない』






『・・・』





『だから・・・サクラコ

つまんない男ひとりのために

家を捨てるとか…そんな

家族…沢山の人を悲しませるような事を

言うな・・・。言わないでくれ、頼むから』