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第15章 神様のイジワル

『まだ…麻酔切れてないのかな』

『・・・今日は、休ませてやろうな』



病室を覗いて両親は

そっとドアを閉める



『・・・』




『ケイゴ？・・・帰るわよ？』




憔悴しきった両親と

病室を後にするけど・・・




『あ・・・ごめん、オレ

バイト先に…ちょっと呼ばれてたんだ

先に帰ってて？』




・・・



～こんな時に何言ってるのよ～？！



・・・いつもの母親なら

こんな調子でぶったぎられそうなもの





『・・・そう・・・気をつけてね』





『・・・』




別人のように返事をして

母さんは、父さんに支えられて

病院を後にした







『・・・』



呆れられようが

ぶったぎられようが

理由なんて、なんでも良かったんだ








ｺﾝｺﾝ・・・ｶﾞﾗﾗ





オレはフロアを適当に回って

弟の寝ている病室に戻る






『リョウキ・・・？』




起きてるんだろ・・・？




そう言いかけて止める。






『・・・zzz』




『・・・』




気づいてたんだオレ



薄暗い病室で

左脚をガチガチに固定されたまま

横たわる弟が・・・



まだ意識も朦朧と

寝ているかのように思える弟が





『・・・…っ…っ・・・っ…』




顔を隠し…わからないように

タオルを噛みしめて…声を押し殺して



ひとり・・・泣いていたことに