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第15章 神様のイジワル

こんな弟の姿を…見たくなかった。


こんなに心が痛む

オレがこんな気持ちならば


弟は・・・どれ程の・・・



そんな気持ちがこみ上げると同時に



オレは・・・過去

一度経験したことのある



なんとも苦く…苦しく

モヤモヤとした



怒りにも勝るような

∥あの感情∥が…こみ上げていた




なんで・・・？



なんで・・・コイツが



なんで・・・弟が




なんで・・・リョウキなんだよ




オレの弟が・・・なんで


こんな目に遭わなきゃならないんだよ？





なぁ？




あぁ、そうか



また・・・∥あんた∥の仕業なのか




この世で一番…残酷で


意地悪な



∥神様∥の仕業なのか・・・。





ぶつけようのない理不尽さ

怒りや絶望に…オレは




かつて覚えた

あの感情に…震えていた。





なんでリョウキなんだよ・・・


コイツが


なにか悪い事でもしたのか？




してないだろ





リョウキは・・・死んだんじゃないんだ


命があるだけ有り難いんだ




それは…確かにそうだよ




だけど・・・だけどな



幼い頃から…一途に…ひたすらに

自分の決めた道を真っ直ぐに



雨の日も風の日も

怠けることもなく



青春のすべてを捧げて、と

そう言っても過言でないくらい



一生懸命に頑張って来た

オレの弟にとって



【選手生命】は・・・それは


弟にとっては



【命そのもの】と…同じなんだよ。




神様ってやつは


そんな大事なものまでを

無情に奪い去っていくのか？





コイツの・・・誇りを








弟の生命(いのち)まで


奪わないでくれ