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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第15章 神様のイジワル

RRRRRRR・・・




『~~はい・・・』




ツーツーツー・・・




『母さん・・・?・・・また?』



『ん~…』




無言電話やら

よくわからん嫌がらせ文書なんかが

頻発していたのもこの頃




言うまでもなく、それらは

弟に対するものだったのだけど



一部の…過激な反応した連中なのか


中には好きだの、応援するしてるだの

そういう気持ちが裏返ったような

そんなものたちだったのか



突如、引退を決めたリョウキに

∥無責任∥だ∥身勝手∥だのと

いわれのない…理不尽な

バッシングみたいなものがあった





『・・・』


グシャ・・・




ったく、どこで嗅ぎ付けるんだかね?


プライバシーもなにも

あったものじゃないぜ



オレはポストに入ってた

下らないビラを握りつぶして

ゴミ箱に投げ入れた




下らないもんは

相手にする必要ない



人の気も知らない

暇人のやることなんか





『・・・兄貴?』




『ぇ・・・あぁ』




気付くとリョウキが顔を出していた







『・・・。・・・悪いな』



察したようにリョウキが一言、発する


両親の説得で中退は留まったみたいだが

やりきれない毎日に

変わりはなかったと思うんだ





『母さん・・・遅くなるみたいだし

メシでも作るか?…何食う?』



オレはごまかすように

冷蔵庫をあさった






『兄貴・・・?

オレは・・・大丈夫だよ』





例えば、そのたった一言に

弟の…どれだけの思いが

込められていたのだろう






『・・・』




ありふれた、たった一言なのに


オレは・・・めちゃくちゃ悲しくて


弟から目を反らしていた




∥大丈夫∥じゃ・・・ないだろ、お前




悲しかった

寂しかった



オレは…この時

本当に悲しかった





いつもメラメラと

内に秘めた自信を示すように



【大丈夫だ】と言う

弟の…親指のサインが

そこには、なかったから
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