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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第15章 神様のイジワル
ある夕飯の時には
『父さん、母さん・・・オレ
大学辞めて働こうと思うんだけど』
弟はこんな事を言い出した
『ちょっと・・・リョウキ』
『そんなに…答えを急ぐことは・・・』
自分の現状に不安感や…焦りを感じるのか
生き急ぐように答えを出すリョウキに
両親とも…言葉に詰まっていた
『・・・退部届、もう出した』
そんな家族を…もはや
諦めさせるかのように
リョウキは決定打を口にした
『・・・ぇ』
『・・・』
『・・・』
『もう・・・引退届、出したから、さ』
リョウキは…何かをぐっと堪えながら
気丈に…淡々と話した
復帰を…してほしかった
そのために
家族で精一杯
背中を押してやりたかった
だけど、弟は
その何歩も先を行くように
その意思を…家族に示して見せたんだ
『それは…わかったけど
それと、これとは・・・』
『そうだそリョウキ…もう、じきに
3年になるじゃないか…働くにしても
ここまで来たなら…大学は出てたほうが…』
『∥無駄な人間∥に…無駄な投資を
する必要はないよ・・・』
そんな押し問答のような状況に
オレは…たまらなくなって
『そんな言い方・・・するなよ』
『・・・』
『リョウキ・・・オレのこと
気にしてるのか・・・?』
『・・・』
『確かに…お前の言うとおりだよ
うちは…∥無駄な投資∥してるほど
余裕なんかないぜ・・・でも』
『・・・兄貴のことは…関係ないよ。
これは…オレの問題だから』
弟は…すっぱりと言い切った
『わかるだろ?…とくに…兄貴になら』
『・・・』
リョウキは自分の左脚に目をやって
かすかに…オレに目配せして笑う
こんな、最悪のケガをして
復帰した選手なんか、いない
その目は…∥わかっている∥と
悲しく言っていた
いつも…いつでも
その悔しさを一身に背負って
なんの不満もこぼさずに
いつでも…オレなんかより
何歩も…何歩も…
走り抜けて遠くに行ってしまう
いつだって・・・こう
弟は・・・強いやつだった
『父さん、母さん・・・オレ
大学辞めて働こうと思うんだけど』
弟はこんな事を言い出した
『ちょっと・・・リョウキ』
『そんなに…答えを急ぐことは・・・』
自分の現状に不安感や…焦りを感じるのか
生き急ぐように答えを出すリョウキに
両親とも…言葉に詰まっていた
『・・・退部届、もう出した』
そんな家族を…もはや
諦めさせるかのように
リョウキは決定打を口にした
『・・・ぇ』
『・・・』
『・・・』
『もう・・・引退届、出したから、さ』
リョウキは…何かをぐっと堪えながら
気丈に…淡々と話した
復帰を…してほしかった
そのために
家族で精一杯
背中を押してやりたかった
だけど、弟は
その何歩も先を行くように
その意思を…家族に示して見せたんだ
『それは…わかったけど
それと、これとは・・・』
『そうだそリョウキ…もう、じきに
3年になるじゃないか…働くにしても
ここまで来たなら…大学は出てたほうが…』
『∥無駄な人間∥に…無駄な投資を
する必要はないよ・・・』
そんな押し問答のような状況に
オレは…たまらなくなって
『そんな言い方・・・するなよ』
『・・・』
『リョウキ・・・オレのこと
気にしてるのか・・・?』
『・・・』
『確かに…お前の言うとおりだよ
うちは…∥無駄な投資∥してるほど
余裕なんかないぜ・・・でも』
『・・・兄貴のことは…関係ないよ。
これは…オレの問題だから』
弟は…すっぱりと言い切った
『わかるだろ?…とくに…兄貴になら』
『・・・』
リョウキは自分の左脚に目をやって
かすかに…オレに目配せして笑う
こんな、最悪のケガをして
復帰した選手なんか、いない
その目は…∥わかっている∥と
悲しく言っていた
いつも…いつでも
その悔しさを一身に背負って
なんの不満もこぼさずに
いつでも…オレなんかより
何歩も…何歩も…
走り抜けて遠くに行ってしまう
いつだって・・・こう
弟は・・・強いやつだった