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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第17章 大切な弟・・・可愛い妹
「こちらです…っ」




病院にかけつけたリョウキが

看護師に案内されてやって来た




『兄貴・・・っ…』




『・・・おぅ』




血相を変えて走って来たリョウキは

ボクの姿、表情を見て

やっと∥現実に起こったこと∥と

認識したかのような

落ち着きと焦りの入り交じったような

複雑な表情をしていた




『アイルは・・・?!』





『・・・こっち。

…ちょっと、驚くかもしれないけど

そこまでひどいケガ負ってないから

大丈夫だから・・・落ち着きな?』





痛々しい姿の婚約者と対面させるのが

どうしても心苦しいボクは

せめてものフォローのつもりで弟に言った





『・・・もう、十分驚いてるから大丈夫』





冷静に…淡々と

ちっとも説得力のない返事をする弟を連れて

彼女の元に急いだ





『・・・。・・・』




ベットで眠っているアイルちゃんを前に

弟は言葉を失って呆然としていた



・・・だから、驚くな…って

言ったんだけどね



なんて言っても無理な話だけど




あちこち包帯だらけで横たわる姿に

驚くな、と言う方が無理な話。





『・・・~』



『・・・リョウキ、大丈夫だよ

本当に…命の危険に至るような

傷は負ってないから…大丈夫だ』




『・・・驚いて・・・ねぇよ』




リョウキはガラス越しに

彼女を見つめながら

ただ、ポツリと呟いた




『・・・前にも、こんな姿

見たことあるな・・・って思っただけ』




『・・・???』




何を・・・何のことを言ってるのか

わからなかったけど


自分で自分を落ち着かせるために

深い意味なく呟いたのか、わからないけど


弟は独り言のように呟いた。





『・・・こいつにだけは』






『うん・・・?』






『アイルにだけは・・・二度と

そこに…どんな事情があったとしても

二度と…こんな辛い思いを

させたくなかったんだ・・・』





『・・・リョウキ?』



うわごとのように呟く弟は

自分の拳を固く握りしめて

小刻みに震えていた


その表情は…込み上げてくるものを

じっと堪えているかのように

固く、険しい表情をしていた
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