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Best name ~ ひまわりとの約束 ~
第3章 青い時代(とき)の瞬き
『あ?・・・忘れモンっすよ~?』



オレは連中の去った階段に向けて
一声かけてみたんだけど



戻ってこないので





『・・・いらないってさ。ハイ』






『あ・・・』







連中の〃戦利品〃であるはずの財布を

カンナに向かって放り投げて

オレもさっさと階段を降りて

屋上をあとにする








『~~ほらヨシオカくん

もう泣かないの・・・

ほら、これしまって?帰るよ』




『うっ・・・うっ・・・うっ

葉月さん・・・ボク…』






『・・・』


そんな声を背景に

オレは寝過ごした放課後

下校する










『滝川く~~んっ・・・』




『・・・』





下駄箱の所で呼び止められた









『あの・・・っ、ありがとう・・・』





半分息切らしながら追っかけてきた

ソイツ・・・カンナ






『なにが・・・?』






『ヨシオカくんのこと…助けてくれて』










『オレは…通りすぎただけだけど?

ジャマなのがいたから…どかしただけ』










だってさ・・・本当に

助けてあげようとして

実際に手を差し伸べて

助けてやったのはお前だろ?













『っ・・・それでも、ありがとう』







『・・・』




ホント・・・なんか、変なやつ





オレはさっさと帰ろうとしたんだけど





『・・・』



つい振り向いた拍子にさ

目に・・・入るから








『え?・・・滝川く・・・』



『・・・行こう』







『・・・』


オレは…ちょっと面倒くさげに

カンナの手を引っ張って

学校の廊下に戻った





カンナの膝や二の腕が

擦りきれて…血が滲んでたから






男だったらさ

〃ツバでもつけとけ〃

とか言うとこだけど?





そういうワケにも

・・・いかなくない?
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