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それでも僕は
第11章 11★
「……………」
「本当にごめんって」
じーっと睨んでいる俺にケイはたじろぐ。
「…ケイ、ちょっと来い」
ベッドの上で仰向けになっている俺はテーブル隔てたところで正座しているケイを呼び寄せる。
「……どうし…んっ…」
俺は隣に来て俺の顔をを覗き込むケイの後頭部に手を回し引き寄せキスをする。ケイは目を瞠って驚く。俺がケイの歯を舌でノックするとケイの口がわずかに開く。俺はそこから舌をケイの咥内に捩じ込む。積極的な俺にケイは頬を緩める。
「……にやにやするなよ」
「えー?」
にやにやしているケイに恥ずかしさが込み上げてくる。徐々に力関係が変化しているかもしれない。ケイに振り回されることも増えた。だけど嫌じゃない。
「ごめんね…ゆう」
「いや、最近頑張り過ぎていたんだし、仕方ないよ」
合宿が終わったらデートしようとケイと約束していたが、ケイが発作で倒れてしまった。最近、部活で忙しかったことも相まってケイの体調に全く気遣かっていなかったことを俺は反省した。ケイが俺に心配かけないようにと合宿中は俺に倒れたことを黙っていて、合宿から帰って来て、優斗から始めてケイが発作で倒れたことを伝えられた。ケイが倒れたことを知った時は本当に驚いた。植田と伊藤が傍にいたおかげで大事には至らなかったけど。
「ゆう、俺は大丈夫だからそんな顔をしないでよ」
ケイが不安そうな顔をしている俺の手を握る。俺はそっとケイの手を握り返した。発作で体調を崩したケイに心配かけてしまったことを悔やむ。まだ子供の俺がケイのためにできることは限られているけど、それでもケイのためにできることは全てしよう…俺はそう誓った。