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それでも僕は
第13章 13★
幸せの終わりはいつも唐突だった。両親が亡くなった時も、そして今回も…。
「……出張?」
「ああ…数年ほど海外に出張することになった」
優斗はトーストをかじりながら、気まずそうに海外出張が決まったことを告げた。
「今年受験だと言うのに悪いな」
「ううん、推薦決まっていたし、大丈夫…」
優斗を仕事に送り出し、俺は食器を片付ける。部活を引退し、推薦で高校が決まった俺は今まで忙しかったのが嘘のようにゆっくりとした日々を送っている。食器を片付けたら部屋に戻り、学校に向かう準備をする。
「ゆう、久しぶり」
「ごめん、待った?」
学校が終わり、俺はすぐにいつも待ち合わせしているケイの通っている小学校付近のコンビニに向かう。俺はケイの手を握る、ケイの手が冷たいことに気付いた俺はコンビニに入って暖かいミルクティーをふたつ買った。俺はひとつをケイに渡す、ミルクティーを受け取ったケイは嬉しそうに笑う。
「ありがとう、ゆう」
「……寒いから体調を崩さないように気を付けろよ」
俺はケイにマフラーを渡す。ケイは少し困った顔をする。
「……でもゆうは寒くない?」
「予備があるから大丈夫」
俺はかばんから予備のマフラーを取り出す。俺はケイと通い馴れた通学路を歩く。1月もそろそろ終わろうとしていた。
「…あっという間だったね」
「あぁ…そうだな」
ケイと一緒にいれる時間は少なかったけど、充実した3年間だった。俺はこの3年間、充実していたけど、ケイはどうだっただろうか?部活で忙しく、あまり一緒に居られなかった俺に不満を感じていないだろうか?それがちょっと不安だった。
「…んっ…ゆう…」
マンションに着くと俺はケイにキスをした。
「ふっ…ま、待って…んんっ!?」
いきなりキスされて戸惑うケイ、俺はわずかに開いたケイの口の隙間に舌を捩じ込む、ケイはあまりに強引な俺の行動に目を瞠った。
「んっ…んんっ…!!」
俺はケイの咥内を蹂躙した、ケイの踵が浮く。酸欠状態に陥ったケイが俺の胸を叩く。俺はそこで我に返り、ケイから唇を離した。俺が唇を離すとケイは壁に背中を預けて座り込んだ。