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それでも僕は
第14章 14★
「なるほどね、だから泣いていたわけね」
ケイの詳細を伏せ、事情を説明する。まとまりのない説明をする俺の話を聞いていた佐久間はなるほどと頷く。佐久間は腕を組んで考え込む。俺は残っているコーヒーを一気に飲み干す。
「……なあ…その恋人のために、なんでもするだけの覚悟はある?優馬?」
「あぁ…アイツのためなら命を差し出しても構わない」
「そうか…」
佐久間は俯いて、何かを考え込む。俺は空になったマグカップを見つめる。
「……本当に優馬に覚悟があるなら、金を稼ぐ方法を教えて良いぜ」
「本当か!?」
佐久間は立ち上がり、俺の隣に座る。佐久間に言葉に俺はマグカップから佐久間に視線を移す。
「な、なんでもするから教えてくれ、佐久間さん!!」
「……後悔するなよ?」
「もちろん…アイツを見捨てたら俺は一生自分を許せなくなる」
「……分かった」
俺の覚悟を聞いて佐久間は俺の肩を掴んで俺にキスをした、突然の佐久間の暴挙に俺は驚き思わず佐久間を突き飛ばしてしまう。
「な、何するんだ!!」
「何って金を稼ぐ方法だよ」
突き飛ばされた佐久間はため息を吐いて立ち上がり、俺の頬に手を当てる。
「…優馬の顔と身体なら高く売れる…その方法を教えてやる」
「それって…」
「あぁ…男娼としての稼ぎ方を教えてやるって意味さ」
俺は佐久間の言っている意味が理解できなかった。
「…いや、無理だろ…俺デカいし、無駄に筋肉あるし」
「別にやめたいなら無理強いはしないぜ」
正直、ケイ以外の人と寝るなんて絶対に嫌だ…だけどそれ以外にケイを救う方法がないのなら俺は…。
「……少し、汗掻いたろ?シャワー浴びて来いよ、優馬…俺は先に寝室で待っているから」
「……分かった」
俺はよろよろと立ち上がり、佐久間が指したシャワールームに向かう。
「……本気なら着替えはいらないよな?」
「…………」
俺は佐久間の言葉に応えず、バスルームに入る…遠回しに逃げても良いと佐久間は告げているが…。
俺は…アイツを救うために堕ちることを決めた。