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それでも僕は
第14章 14★
「じゃあ帰るよ」
「えー?せっかくなんだし、泊まって行きなよ」
帰ろうとする俺に高人は不満そうに口を尖らせる。
「またヤろうって言いそうだから帰るよ」
俺は肩を竦め、部屋を出る、高人は部屋を出る俺にブーブーとブーイングを飛ばす。
翌日…俺は高人に教えてもらったハッテン場に来ている。ケイを救うためだと言ってもケイ以外の男と身体を重ねるのは罪悪感がある。ハッテン場で相手を探している男達がYシャツ、ジーパンの俺を見て一瞬立ち止まる。
「浮かない顔しているね…」
俺は客を探すが、声をかけられずにいた。一歩踏み出せない俺に男のほうから俺に声をかけてきた。
「…そんなことないよ」
「ふ~ん?そうかい?君はこれから空いているかい?」
「……空いているけど?」
男はジロジロ、俺の顔を見る。
「ちなみに君いくら?」
俺は高人から聞いた額を男に伝える、金額を聞いた男は一瞬眉をひそめる。やっぱり高かったか?黙った男に俺は不安を覚えた。
「分かった、じゃあ行こう」
男は俺の腰に腕を回し、ラブホに向かって歩き出す。男が取った部屋に入ると俺はYシャツのボタンを外す。
「君の身体、キレイだね」
Yシャツのボタンを外した隙間から見える俺の身体に男はうっとりし声を出す。
「何か、スポーツでもしてたのかな?」
「……中学の時、バスケしてた」
「へぇ…」
男は興味深そうに俺の割れた腹筋に触れる。
「もっと君の躰、じっくり見せてくれにかな」
「分かった」
俺がYシャツを脱ぐと男は唾を飲んだ。
「まるで彫刻のようにキレイな躰だ…この美しい顔と美しい躰を好きにできるならいくらでも出せる」
男はボクサーパンツしか身に付けていない俺を恍惚とした顔で見ている。
「ふっ…んっ…」
男は俺の躰をガラス細工を触れるように慎重に触れていく。胸や腹筋、背中に脚…全身を男の生温かい手が駆け巡る。俺の躰を触りまくった男は俺の唇に親指で触れる。俺の顔をじーっと見つめる男に居心地が悪くなる。
「…どれ、キスはどんな味するかな?」
「んんっ…」
男は唇を俺の唇に押し当てる。しばらく俺の唇に自分の唇を重ねていた男は舌で俺の歯をノックする。俺が口をわずかに開くと男の分厚い舌が咥内に侵入して来た。