この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それでも僕は
第8章 8☆
「あっああっ…!!」
「…っ……!!」
俺とゆうは同時に欲を放った。俺の全身から力が抜け、ゆうのほうに倒れる。
「…大丈夫か?」
「……ちょっと眠いだけ…」
眠そうな俺にゆうは苦笑した。体力のない俺はイッた時の倦怠感のせいであっという間に眠りについた。
「慧、今日は帰って来れないかもしれないから先に寝てなさい」
「あっ今日はゆうのところに泊まりに行くから」
久しぶりに母さんと一緒に朝食を食べる、母さんはゆうの家に泊まりに行くと聞いて、そうと頷いた。
「あまり南くん達に迷惑かけないように…」
母さんはそう俺に釘を刺す、ゆうや優斗さんに迷惑をかけるのは本意ではないので俺は素直に頷いた。母さんが仕事に向かうのを見送って俺は洗濯物に取り掛かる。俺の父さんは俺が物心付く前に亡くなったため、俺には父さんがどういう人なのか全く分からない、母さんの話では良い人ではあったようだが…。母さんは父さん亡くなって以降、俺を女手ひとつで育ててくれた。シングルマザーとして家事に仕事に苦労している母さんには頭が上がらない。少し成長して俺が家事をある程度するようになったが、俺は心臓に病気を抱えて入退院を繰り返しているので家事が滞ることも多い。
「ケイ、おはよう」
「おはよう…ゆう」
ゆうは挨拶もそこそこにして家事を手伝ってくれる、俺はゆうはデートということで結構オシャレしていた、汚すといけないと思い俺はゆうにエプロンを渡す。嫌な顔せずに家事を手伝ってくれるゆうは本当に良い人だと思う、俺の父さんもこんな風な人だったんだろうか?
「ケイ、疲れてない?」
「ううん、大丈夫」
最近、ゆうが家事を手伝ってくれるおかげで大分楽できるようになった。ゆうは自分のしていることは大したことないと思っているかもしれないけど、ゆうのおかげで以前のように体調悪いのに家事をすることもない。医者からも以前より身体は少し良くなっていると言われた。
ゆうは洗濯物片付けた俺に休むように促す。ゆうは食器を洗い終え、リビングの掃除をする。狭いだけあって掃除はすぐに終わる、両親が共働きで忙しかったこともあり、幼いころから家事をしているだけあってゆうは家事に慣れている。