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それでも僕は
第9章 9★
俺はケイの胸元に身体を預ける、ケイの細い腕が俺の身体を包む。
「ゆう、大丈夫?」
「あぁ…大丈夫」
俺はなるべくケイに体重をかけすぎないように気を付ける。
「…ごめん、やっぱり呆れた?」
年上なのにこうやって年下に甘える俺をケイは呆れてないだろうか?
「…ちょっと恥ずかしい」
俺はケイが照れていることに気付く。ケイにつられて俺まで恥ずかしくなる。
「……ゆう、可愛い」
ケイは俺の頭を掴んで額にキスを落とす。柔らかい唇がすぐに離れてしまったことに俺は物足りなさをを感じる。
「……今度はここにキスしてよ」
「…うん」
俺は口を指すとケイは頬を赤くしながら頷いた。
「…んっ」
ケイは俺の唇に自分の唇を当てる。俺はケイの背中に腕を回す。必死にキスするケイが可愛い。
「ケイ、顔真っ赤」
「ゆうだって」
俺とケイは顔を見つめ合い、我慢できずぷっと吹き出した。
最初は馴れない中学生活だったが、ケイや優斗さんの助けもあって忙しいながら充実した日々を送っていた。
「…ただいま」
俺はマンションに帰って部屋にかばんを置いて、タンスから半袖と短パンを出してバスルームに向かう。
ピンポーン
「ん?」
風呂から上がり、冷蔵庫の中身を吟味しているとインターホンが鳴る。今日は月曜日でケイが泊まりに来る日ではないはず…郵便か?と思いながら俺は玄関に向かう。
「センパイ!!お久しぶりでーす!!!」
「うわっ!?」
見るからにチャラそうな男が俺に抱き着いて来た。いきなり成人男性に抱き着かれ、後ろに倒れそうになるのをなんとか耐える。
「センパイ?」
「あの…どちら様ですか?」
男が酒臭いことに気付く。酔っ払いか?と思いながら俺は男に肩を貸してひとまずリビングまで運びソファーに座らせる。
「はい、どうぞ」
「あぁ、ありがとう」
俺が水を渡すと男はふにゃっと笑った。この酔っ払いを追い出すこともできず途方に暮れている。
「ただいま」
優斗の声に俺ははっと我に帰り玄関に向かう。
「……優斗」
「優馬?どうかしたか?」
俺は酔っ払いが来ていることをどう説明したら良いか分からず口をつぐんでしまう。俺の様子がおかしいことに気付いた優斗が不思議そうに俺を見る。