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それでも僕は
第9章 9★
「…ところでさ…」
高人が声を潜める。高人の黒い目が好奇心に揺れていることに気付く。
「……優馬くんって恋人いる?」
「………いません」
一瞬ドキッとしたが良く聞かれる質問なので、すぐに平常心を取り戻す。俺の答えに満足してない高人がさらに詰め寄る。
「優馬くんってモテそうだから恋人とかたくさんいそうだど」
「えーと」
俺は高人の隣にいる優斗に助けを求める。優斗は助けを求める俺の視線に気付き深々とため息を吐いた。
「おい、それ以上優馬にウザ絡みするな、出禁にするぞ」
優斗ば俺にしつこく恋人の有無を尋ねる高人の頭を叩いて止める。
「なんだよ…優斗も興味あるだろ?」
「それはそれだ、それに自分のことあれこれ聞かれて困るには高人のほうだろ、少し自重しろ」
口を尖らせ不満を述べる高人を鋭い視線と言葉で嗜める優斗。高人は相手のことお構いなしにぐいぐい行くタイプだち思うがなぜか優斗に弱い。先輩と後輩だと言うふたりの関係だが、俺にはふたりの関係がただの先輩、後輩の関係には見えなかった。