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恍惚なる治療[改訂版]
第6章 男性同士
胸元に埋めていた顔を上げると、柳川先生は今にも泣きそうな表情になっていた。
その表情を見て、なぜだか胸が苦しくなった…
「いきなり男に告白されて気持ち悪いでしょう?でも僕は男だからという理由で佐伯さんを手放したくなかったんです…昨日だって本当は女性の元へ行って欲しくなかった…恋人のフリが上手くいって、本当にその人と付き合うようになったらと思うとイライラして自棄酒してたんです…それくらいあなたに夢中なんです…」
以前『朝間』の感想を述べる際に三雲さんと話していた、男同士の恋愛なんて変だと思ってたのに…
いざ自分に降り掛かるとどうしたら良いか分からない…
柳川先生に対して、不思議と否定的な気持ちは一切湧かない…
でも、告白を受け入れるのはまた違う…
単純に相手の気持ちに流されるわけには…
返答せずに押し黙っていると、柳川先生に頭を撫でられ、身体をビクつかせた。
「困らせてしまってすみません。僕の気持ちを知ってもらいたくて…」
「いきなり言われても分からないです…」
「すみません…」