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嘘の数だけ素顔のままで
第6章 痴漢【1】
 白紙のワードを見つめてどれくらい経つだろうか。五本目の煙草を喫った。女のことになるとひどく現実的になってきて何も書くことがなくなってしまった。煙草を消したあとでも一行すら書けなかった。


 結局、件名に、「童貞です」、本文には、「女のことを考えていたら死にたくなってきました」、とそう書いた。煙草をまた喫った。


 灰皿からフィルターの焼ける匂いがして臭かった。目頭を押さえると眼球の奥が痛んだ。部屋が仄白んでいてそれが煙のせいなのか、瞼をこすったせいなのかわからなかった。背筋を伸ばすと心臓に亀裂のような痛みが走った。胃からせり上がってきた嘔吐物で口の中は酸っぱい味がした。

 瞬かせた瞼に涙が滲む。視界がやがて戻ってくるときに「先生」のユーザーページに新着が入っているのを見つけた。



まりも wrote:
〉死ぬまえにあたしのことを痴漢してくれま
〉せんか。気分がかわるかもしれませんよー



 コトブキは溜め息をつくように煙草の煙を吐いた。件名と本文を書き込んでからまだ二、三分しか経っていなかった。やはり女の登録者というのは業者なのだろうか、そうコトブキは思った。匿名の素人の女はこんなに優しくはないしメッセージが都合良すぎる。


「先生」のユーザーページに戻った。新着メッセージがまた入っている。しかも今度は三件入っていた。


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