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嘘の数だけ素顔のままで
第8章 痴漢【3】
 コトブキは表情のない顔でばか女を見下ろしているうちにあることをふと思い出した。『女は何でもしてくれる』。職練の昼休みのとき誰かがそう言ったような気がする。コトブキはふいに女のおでこというものを見てみたくなった。ばか女の前髪を掻き上げた。


 ばか女は奇麗な富士額をしていた。髪の生え際にこんなに汗を溜めて、とコトブキは思った。

 コトブキはオオハナタカコの一件で無言が興奮することを知ってしまった。だから、ばか女に声を掛けるつもりは毛頭なかった。無言に耐える自信もつけた。ただ表情のない顔でばか女を観察し続けた。そうやって冷たくすればするほど、ばか女の愛撫は感情的になっていった。


「マゾ乳首……なんです」

 そう言ってきてもコトブキは無視した。


「頭いいふりしてるけど……ほんとはばか女なんです」

 これもコトブキは無視した。


「ほんとに……ばかです……ばか女です」

 涙ぐんだときのような声だった。ばか女は、コトブキの腕におでこを当ててむせぶ。


 コトブキはただ黙っているだけでよかった。ばか女は、敬虔なクリスチャンが神父に懺悔でもするかのように告白を続け、不慮の事故で死なせた遺族にぬかずくように謝罪の辞を口にした。その間コトブキは気まぐれに指を動かした。

 ばか女が熱心に懺悔すれば褒美をやるという訳ではなくて、コトブキの気に入る謝罪があれば指を動かすという訳でもなかった。文字通りただ気まぐれに指は動いたり止まったりする。ばか女の哀訴の眼差しにも、何か問題でも? というような傲慢な流し目を送った。


 ばか女は驚いたような声をあげ、のけ反った首を筋張らせた。太腿のあわいをびくびくさせて腰を振った。

 ぞんざいな扱いを受けていることを知り被虐の性に顔じゅうを歪ませた。半びらきの赤い口紅に唾液の糸が引いた。ばか女は咄嗟に口を手で覆い、言葉では言い尽くせないような表情をした。

 突然腰が不律動に痙攣した。肉のあわいが……湿っぽくなった。


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