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第3章 第三章　自衛隊訓練生時代

　検定中止？？？
　え？？？
　冷や汗がヘルメットから流れる。泣きそうだった
　母親は最後まで見送りにこなかった。また、あんな生活に戻るのか？学もない。何もない。どうしたらいい。真っ白だった
　ふいにキャノピー（操縦席をおおうガラスカバー）があく
　おい！
　はい！頭をかるく叩かれる。ニコニコしてた
　よくやった！いってこい！
　はい！え？どこに？あっそうだ！合格したら１人で飛んで来いだった
　急にうれしく涙がでてくる。見上げると建物から歓声があがる。後部崎の教官が片手をあげて合格サインをだしていた
　そこからは、さらに真っ白だった。いつもは後ろに教官がいる。何かあっても教官が助けてくれる。それがない。誰もいない。もう必死だった
　離陸し空を眺める。１人でここまできたんだ！俺はやったんだ！と大声でさけぶ。なんとか基地まで戻り所定の位置まで置く。同期から歓迎される
　この時は今でも覚えている。うれしくて彼女に電話をした。母親は、そう、それだけだった