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blossom
第14章 Love13:待つ男
「警察には言わない…大事になるのは嫌なの」

「分かったよ」

夫はバスタオルを取ってくると頭から被せて拭いてくれた。大量に吐き出された精子も躊躇なく拭ってくれた。
そして、浴室へ向かう時も寄り添ってくれた。

「パパ…ありがとう……ごめんね…」

「何かあったら呼んで、近くにいるから」


プラプラとぶら下がっているだけのショーツも、ワイヤーがおかしくなったブラも、伸び切ってしまったカットソーも、とにかく何もかも身につけていたものは処分したかった。
泥だらけのスカートに包んで洗面所の端に置き、シャワーで汚れた体を洗い流した。あちこちにお湯がしみて、擦り傷だらけなことに気づく。


ヒリヒリするのを我慢してシャワーのお湯を当て、中に入っている精子も洗い流す。

(妊娠したらどうしよう…)

気持ちばかり焦ってしまい、湯船にも浸からず出ることにした。着替えを用意していなかったので、バスタオルを巻いて出ると、夫が廊下に立って待ってくれていた。

「パパもズボンびしょびしょ。着替えたら?」

なんとか微笑んだ私を、また抱きしめてくれた。久しぶりに面と向かって抱き合った瞬間だった。
なんとなく感じる違和感は、十年ぶりだからしょうがないのかもしれない。
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