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blossom
第14章 Love13:待つ男
病院へは私一人で入ることにした。夫には駐車場で待ってもらうことにする。幸せそうな妊婦に囲まれて、夫婦で診察を待つ違和感を想像したからだ。何かあったら電話をと夫に念押しされて、病院へ入る。


診察室で話をする。手違いで中で射精してしまったけれど、妊娠は望んでいないことを伝える。
相手は夫かと確認され、違うとは言えなかった。

ビルを処方され、しばらく飲み続けるように言われた。擦り傷と腫れてきた顔をジロジロと見られ、DVの相談窓口のしおりを渡されてしまった。



駐車場に戻り、飲み薬でどうにかなると説明すると、夫もホッとした様子を見せた。



家に帰ると、ゆっくり休むように言われ、子供たちにも体調が悪いと説明して家事を引き受けてくれた。
その夜は夫が体を向けてくれて、抱きしめられて眠った。幼い子を寝かしつけるかのように、背中をポンポン…と叩いて、私が眠るまで待っていてくれた。









そのときは自分のことで精一杯で、夫の不自然さまで気が回っていなかった。


ディーラーから帰ってきた夫のズボンがびしょぬれだったこと。地下駐車場なのにあそこまで濡れていたのは何故だったのか。


ベッドで抱きしめてくれた夫の性器が興奮状態であったこと。もちろん気づいていたけれど、久しぶりにこんなに体を寄せあったせいだと、自分を納得させていた。




怒りに震えていると思っていた夫が、実は襲われた私を見て興奮し鼻息まで荒くなっていたことまでは…思ってもいなかった。

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