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blossom
第21章 Love20:執着する男
「さくらさんに愛されてると感じてしまうのは、自惚れですか?」

「そんなことないです。私、冴島さんのこと、ちゃんと好きです。本当に。」

「セックスだけじゃなくて、僕のことを?」

うん、と頷く。
「抱きしめられると、あなたが私を愛してくれているのが分かるから…私は安心して、冴島さんのことを好きだと思えるんです。」

「いつか、一緒になれませんか?」
(一緒になるって…、離婚して再婚するっていう意味?)

じっと見つめられ、これがその場限りの口説き文句ではないと確信する。
(私も、嘘偽りなくちゃんと答えなければ。)

「でも…子供や夫のことを考えると…簡単には…」

「……ごめん…分かってる…」
そう言うと、私を抱いていない方の腕で目を隠してしまった。

「さくらさんが、他の誰かのものだなんて…我慢できなくて」


沈黙が流れる。
言葉が見つからないのだ。


私はそんな価値のある人間じゃない。でも、冴島さんの愛なら、私は真っ当な妻として生きていけるかもしれない。
夫の性癖に振り回されて不安になり、自信をなくしてしまうのはもう嫌だ。


「私が冴島さんだけのものになったら…飽きたりしない?」

「しないよ。きっと一時も離れてなんて居られないだろうね。幸せだろうな、そんな日が来たら。」
抱きしめてくれた手が、優しく私を撫でてくれた。本当に愛されているのだろう。
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