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blossom
第22章 Love21:私だけの男
ほとんど食べ終わり、愛花がサラダのお皿に残ったコーンをつついていたとき、夫はリビングに入ってきた。
部屋にこもってから30分は経っていた。


夫の食事の準備を始めるためにキッチンへ入ると、夫が子供たちに話し始めた。

「もうすぐさ、パパとママの結婚記念日なんだけどね。二人でお出かけしてきてもいいかな?」
突然の夫の発言に度肝を抜かれてしまう。

「どこ行くの?!僕も行く!!」

「結婚記念日なんだから、りっくんは行けないの!」

「家族ではまた春休みになったら行こう」

「えぇー、ずるいー!」

「まなたちは、おばあちゃんちに泊まる?」

「そうだね。どうかな?」

「ゲーム持ってっていいなら、いいよ」


(結婚記念日?!今まで一度も祝ったことなんてないのに?)
驚いて言葉が見つからないまま、会話の流れを追いかけていた。


「ママ、子供たち、いいって」

「そ、そう…楽しみだな」

「本当だね。期待してて。」
笑顔の裏で一体何を考えているのか、夫の暴走が怖かった。冴島さんの優しい体温を忘れてしまうほどに。




子供たちが洗面所で歯磨きをしている時間。夫はキッチンにいる私の傍に来て、スカートの中に手を入れようとしていた。

「今日は疲れてる?」

そう言う夫の指は、なんの準備もない私の中にツプリと差し込まれた。

「…ぅっ」

突然クチュッ…クチュッ…と掻き回されても、気持ちよさは感じなかった。
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