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blossom
第22章 Love21:私だけの男
「いやっ、やめて。子供たちが来るからっ」

「夫婦なんだし、いいじゃない」

掻き回すように動かされ、痛みこそ感じないものの、不快感でいっぱいだった。

「ほら、濡れてきた。ママはこうされるのが好きだからね。」

(濡れてる?まさか?)
そう反論したかったけれど引き抜かれた指は、体液に濡れて光っていた。自分の身体を嫌悪してしまう。

下唇を噛んで涙が零れてしまうのをなんとか抑える。冴島さんがあんなに優しく愛してくれた一日が台無しにされてしまった気がしたのだ。

「ママー、僕のぶどう味無くなりそう!」

陸人にペタンコになった子供用の歯磨き粉を手渡された。下を向いた瞬間、一粒零れてしまったが誰にも気付かれずに済んだ。

「明日買っておくね」
背中を見せて、出来るだけ明るい声で返事をする。

ふぅぅぅとゆっくり深呼吸をしてから、笑顔で振り向いて子供たちにおやすみの挨拶をした。


「ママは?シャワー?もうあっちで浴びてきたから大丈夫?」
思わぬ夫からの攻撃に、黙って目を見開いてしまった。

「浴びるよ、シャワー。パパは先に寝てていいからね。」

「どういう意味?」

「深い意味はないよ。じゃあ、おやすみ。」


深呼吸しながら急いで服を脱いだ。
熱いシャワーを頭からかぶる。

すべて嫉妬の裏返しだということは分かってる。きっと今夜はめちゃくちゃに抱かれるのだろう。


(せっかく冴島さんに愛してもらったのに…)

愛してもらった〘のに〙?

そこに繋がる言葉は何なのだろう…。
拓人さんに抱かれるのは嫌…?


たっぷりと時間をかけてから寝室に向かう。

ドアの隙間からは、明かりが漏れていた。
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