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blossom
第23章 Love22 : 桂木さくらという女
また日常が繰り返される。

でも、今までとは輝きが違う。

「さくら、今日は早く帰れそうだから、夜はみんなで食べに行こうよ」

「やったー!!」
「焼肉がいい!」

「じゃあ、会社出る時に連絡くれる?」

「分かった。今日はHoneysだっけ?」

「うん、そうだよ」

「頑張ってね。行ってきます。」
子供たちが見ている前で、夫は私の頬にキスをした。

「なんか、パパとママ最近仲良すぎじゃない?」
愛花が眉を寄せながら言う。

「だってパパはママに一目惚れしたんだからねぇ」
陸人はいつだってパパの味方だ。


食事中の子供たちをダイニングに残して、私は夫を玄関まで送る。


「行ってらっしゃい」
今度は唇を重ねた。

「愛してるよ」
今日も夫を笑顔で見送ることができた。




愛し合いたいと思えば、相手の気持ちを探りあったりしないで、ちゃんと伝えるというルール。
そんな簡単なことだったのだ。


もちろん、私に黙って他の男に抱かせるようなことは絶対にしないと約束した。

そして私も夫と約束をしたことがある。
本気で他の男に心が移りそうなときは、ちゃんと夫婦で将来のことを話し合うこと。

夫も私も、子供たちの幸せを大切にしたいという気持ちで一致しているから。


そう。
つまり、私が夫以外の男に抱かれることを前提とした夫婦関係を続けていくという選択をしたのだ。
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