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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第2章 アクシデント
【事件当日】
-・-・-・-
17:33
-・-・-・-
~クルーズ船乗り場~
出港が近づき、お客様であるIT企業の社員たちが、続々と乗船を始めていた。
船内ではパーティーの準備が慌ただしく進む中、優夏は受付係として、パーティーの席案内やプログラムの配布を行っていた。
同じ受付担当の同僚、柱谷由紀(はしらたに ゆき)が優夏に話し掛ける。
「IT関連の会社って、儲かってんだね~」
「確かに凄いですよね、こんな豪華なクルーザーを貸し切りなんて…」
それは、優夏も実感していた。
…
受付が進む中、奇抜なファッションの男が、二人の美女を連れてやってきた。
それはマジックショーに出演する、手品師のミスター・エロックと、マジックショーアシスタントの2人であった。
そして少し遅れ、剣道着のような服を着た初老の男が、小林部長と談笑しながら優夏の前を通り過ぎる。
初老の男の正体は、神野 珍斉(かみの ちんざい)という、催眠術師である。
神野珍斉が乗船すると、小林部長が優夏と由紀の元に戻ってきた。
優夏に緊張が走る。
「あー君たち、あと何人乗船してないか分かるか?」
「えーとっ...」
由紀が前かがみになり、出席簿のチェックを始める。
すると、小林部長が優夏に近づき、耳元で囁いた。
「社内恋愛はともかく、社内でのセックスはマズいよね」
「えっ!……いや…あの……」
優夏は、返す言葉が見つけられずに黙りこくった。
“やっぱりバレてた、どうしよ…なんて言えば…”
激しい動機に襲われ、固まる優夏。
沈黙の中、チェックを終えた由紀が立ち上がる。
「部長。あと7人来てませんね」
「あーそうか、全員乗船が済んだ時点で連絡してくれたまえ」
「わかりました」
「そのあと柱谷さんは、ショーの準備の方に合流を」
「はい」
「小栗君は、1階の控室に来てくれたまえ」
「あっ、はい…」
二人に指示を出し、小林部長は立ち去った。
不安に駆られ、茫然と立ち尽くす優夏に、由紀が声を掛ける。
「ねえ、優夏ちゃん、どうしたの?」
「えっ!いえ、何でもないです」
平静を取り繕う優夏だが、その顔は蒼ざめていた。
…
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17:33
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~クルーズ船乗り場~
出港が近づき、お客様であるIT企業の社員たちが、続々と乗船を始めていた。
船内ではパーティーの準備が慌ただしく進む中、優夏は受付係として、パーティーの席案内やプログラムの配布を行っていた。
同じ受付担当の同僚、柱谷由紀(はしらたに ゆき)が優夏に話し掛ける。
「IT関連の会社って、儲かってんだね~」
「確かに凄いですよね、こんな豪華なクルーザーを貸し切りなんて…」
それは、優夏も実感していた。
…
受付が進む中、奇抜なファッションの男が、二人の美女を連れてやってきた。
それはマジックショーに出演する、手品師のミスター・エロックと、マジックショーアシスタントの2人であった。
そして少し遅れ、剣道着のような服を着た初老の男が、小林部長と談笑しながら優夏の前を通り過ぎる。
初老の男の正体は、神野 珍斉(かみの ちんざい)という、催眠術師である。
神野珍斉が乗船すると、小林部長が優夏と由紀の元に戻ってきた。
優夏に緊張が走る。
「あー君たち、あと何人乗船してないか分かるか?」
「えーとっ...」
由紀が前かがみになり、出席簿のチェックを始める。
すると、小林部長が優夏に近づき、耳元で囁いた。
「社内恋愛はともかく、社内でのセックスはマズいよね」
「えっ!……いや…あの……」
優夏は、返す言葉が見つけられずに黙りこくった。
“やっぱりバレてた、どうしよ…なんて言えば…”
激しい動機に襲われ、固まる優夏。
沈黙の中、チェックを終えた由紀が立ち上がる。
「部長。あと7人来てませんね」
「あーそうか、全員乗船が済んだ時点で連絡してくれたまえ」
「わかりました」
「そのあと柱谷さんは、ショーの準備の方に合流を」
「はい」
「小栗君は、1階の控室に来てくれたまえ」
「あっ、はい…」
二人に指示を出し、小林部長は立ち去った。
不安に駆られ、茫然と立ち尽くす優夏に、由紀が声を掛ける。
「ねえ、優夏ちゃん、どうしたの?」
「えっ!いえ、何でもないです」
平静を取り繕う優夏だが、その顔は蒼ざめていた。
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