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蜜月非行【1】 〜フリーズ・破廉恥ショー〜
第10章  ギルティ
 …
 小林は席に着くと、優夏に紙を渡した。
 それは、明日からの予定表であった。

 その予定表を見る優夏。
 会社的には、普段とさほど変わらぬ仕事量と思われる。
 だが、出向組の9人がいないとなると、かなり厳しい状況であることは、入社して半年しか経たない優夏にも感じとれた。
 おそらく大半の社員が、休日返上は免れないとも思える。
 当然、小林の負担も多くなるのは、間違いなかった。
 そして小林は、明日から社長室で業務を行うことを、優夏に説明した。
 週一程度しか出社せず、仕事もしない社長のための社長室。
 仕事で小林が使うのであれば、活用的ではある。

 小林は説明を終えると、帰り支度を始めた。
 “えっ!終わり?”
 “まさか、何もなかったことにするき?”
 事件のことに一切触れず、肩透かしを食らった気分の優夏。
 優夏はあれから5日間、不安感と罪悪感に心を痛めて過ごしてきたのだ。
 “この男にずっと怯えたまま過ごすなんて、ごめんだわ…”
 “このままじゃ、仕事にも集中出来ないし…”
 “なにより、樹生に顔向け出来ない…”
 優夏は覚悟を決めた。
 そして自ら、事件のことについて、話を切出そうとした。
「あのっ」
 優夏が口を開いた瞬間
「ああ、そうだっ」
 小林も口を開いた。
 そして、小林が続ける。
「小栗くんに、大事な話があったんだ」
 小林はカバンを持つと、応接室で話そうと、優夏に提案してきた。
 “望むところよ…”
 優夏は意を決して、応接室へと向かうのだった。
 …
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