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転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第2章 終わり。ではない、転生。
――キキキキィ…!!!
耳をつんざく、ブレーキ音。
およそ、人生の中で、一生に何度も聞くことはないだろう。
タイヤをめいいっぱいに擦る、その音。
ドンッという衝撃はあったのか――それは分からない。
ただ、ひとつ。
分かるのは。
「……良かった。無事……だった、んだ、ね」
横たわった私の指先付近で、こちらを覗き込む猫と目が合う。
どうやら、私の咄嗟の行動で猫ちゃんは無事だったらしい。
しかし、ぼやけた視界にある指先は動かず、体はなんだか、痛いを通り越して、やけに重たい。
……もしかして、わたし、死ぬの、かな。
「ああ……かみ、さま……私の人生は、ここで終わり、です…か? 明日から新イベ……なの、に」