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転生悪役令嬢は甘く、乱される。
第4章 傷を孕む、義弟との出逢い
そんな警戒心を張り付けたラドルフの様子を見かねたらしく。
私の父になる――赤茶けた短髪に体格のいいマギウスが膝をついて、ラドルフの視線と合うようにしながら話しかけた。
「ラドルフ、もうすぐ昼だ。どうだ、まずは一緒に私達と一緒に昼食を食べよう」
「…………っ」
お父様がその小さな頭に手を伸ばした時。
ラドルフはギュッと目を瞑って、構えていた。
叩かれるとでも、思ったのかもしれない。
けれどお父様はにこやかに微笑み、その頭を撫で回した。
「~~…っ?!」
「さぁ、おいで」
縮こまるラドルフを抱き上げ、お父様は私達も呼び寄せ、廊下に進み出た。
強制的に肩車の体勢になったラドルフは混乱している様子で、落ち着かない様子だったけど……。
屈強な肩の上で戸惑う少年の図は、ただただ“可愛い”に尽きた。