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第73章 騙されていく結花

結花は太田の言葉に目を丸くし驚いた。
そしてなんて失礼な事を言い出すのだろうと太田を睨みつけた。

太田はその視線に気がつき、慌てて言葉を続ける。

「あっ、ごめん、ごめん、言い方悪かったかな」
「結局真面目な話しなんだよ、実はさ、先輩と広美ちゃんが別れた原因が、ちょっと関係してて」

結花は健治に反応し、太田の話しに耳を傾ける。

「あのな、先輩は処女が駄目らしいんだよ」

結花は太田の言うことがイマイチ理解出来なかった。
しかしながら処女が駄目というキーワードが耳に残った。
結花はいまだ処女だったから。

「駄目ってどういうことですか？」

健治の名前を出され、少し食いぎみに結花が太田に聞き返す。
太田は広美経由で結花が処女であることは知っていた。

「先輩処女に対して、見下したような態度を取るらしいんだよ」
「広美ちゃんも処女でさ、初めての相手が先輩だったんだけど、処女は気持ち悪いとか、めんどくさいとか暴言吐かれたみたいなんだ」
「それで相談に乗ったりしてたら、広美ちゃんと付き合う事になったんだよ」

結花は太田の思わぬ言葉に絶句した。
自分が好きな人がそんな人だったなんてとショックを受けた。

「でもまあ、結花ちゃんが処女じゃなきゃ平気だと思うよ、一応さ結花ちゃんに嫌な思いして欲しくなかったから伝えておこうかなって」