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不埒に淫らで背徳な恋
第13章 【番外編〜快くんと瑠香の日常〜その①嫉妬】
全部快くんからかと思えば子供との動画とかもあってトイレで視聴して癒やされてしまった。
(ママだいしゅき〜はやくかえってきてね)なんて言わせるとは考えたわね。
既読ついたからとりあえず短く返信。
(ママも大好きだよ、良い子にして早く寝んねしてね?おやすみ)
(パパ、お疲れ様。ありがとう)
その後すぐ席に戻って懐かしい話に花を咲かせていた。
「何飲んでるの?」
隣に座ってきたのは当時、生徒会長を務めていた山路くん。
普段から仲良くてグループだったけど何度か遊びに行ったこともあった仲だった。
面倒見が良くて頭も良かったからよく赤点組をスパルタで勉強教えてた印象が強い。
「えっと、ハイボール」
「元気そうだね?」
どんな仕事に就いてるのかとか結婚してるのか、してたのか…とか駆け引きなくズバッと聞けちゃうくらい気も許してた。
皆の憧れでもあったし当時は本当にモテてた人。
今は…うん、お酒が入ってるせいもあるけど何のトキメキもない。
体型や顔もさほど変わってないんだろうけど。
嗚呼、そうだ。
私、同級生には昔から興味なかったんだった。
やたら話題を振ってくれるからそれに答えて笑っていた。
山路くん、離婚歴ナシの現在彼女ナシ。
小さい規模だけどネット関連の会社興してそこの社長さんだそう。
会社名……どこかで聞いたことあったかも。
ふーん、頑張ってるんだねぇ。
やっと軌道に乗ってきてるとこだって言ってたけど凄いことだよ。
って、ずっとカバンから携帯の振動が。
絶対に快くんだ。
チラッと覗いたらやっぱりそうだった。
大丈夫だからって言っても気にするんだよね。
「ちょっとお手洗い行ってくる」と席を外し、誰も居ないところに出てカバンから携帯の通話ボタンをスライドした瞬間に後ろから誰かにハグされた。
ビックリしてカバンの中に携帯戻るわ、そのまま足元に落としちゃうわ、一体誰?が強過ぎるわでプチパニック状態。
振り向いたらめちゃくちゃ近いところに山路くんの顔があった。
「え?山路くん?どうしたの?」
「ごめん…こんなチャンス、二度と来ないんじゃないかと思って」
パッと離れた山路くんは落ちたカバンを拾ってくれた。