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ブレインウォッシャー
第1章 掘り出し物
興奮の為かオッサンの声が掠れている。友妃はスカートの裾をパタパタと煽り中に空気を送る。レジカウンターを挟んでいても友妃の茂みやぬかるんだ渓谷は見えたのだろう生唾を飲む音が静かな店内に響く。
 「あの人のもオジサンのくらい可愛かったら楽なのに。」
 オッサンの小さくテントを張った股間を一瞥して友妃が嗤う。オッサンの顔が一瞬で赤くなる。禿げ上がった頭頂まで染まり湯気が出そうだ。
 「大人をからかうのもいい加減にしろ!」
 カウンターの戸を壊さんばかりの勢いで飛び出してきたオッサンに驚いて友妃が足を縺れさせ転ぶ。その拍子にスカートが捲れ上がり内出血だらけの尻が露になる。
 「さっきからやけに挑発してくると思ったらお前マゾかよ。汚いケツ晒してチンポが欲しいなら素直にそう言えよ。」
 血が上って茹で上がってる頭にはここが監視カメラが在る店内で奥には鬼より怖い奥さんが居る事さえ思い出せないらしい。オッサンはズボンのファスナーを下ろし思ったより貧弱でお粗末な逸物を取り出した。ここまでだ。俺は雑誌コーナーから一直線にレジに走りカウンターを飛び越え奥にある非常ボタンを押す。けたたましく鳴るベルに貧相な道具を仕舞うのも忘れて呆然としてるオッサンを残して俺は友妃の手を引いて店を後にした。
 股間を丸出しにして呆けていたオッサンはその姿を奥さんと駆けつけた警察官に見られ詰問されカメラの映像から強姦未遂で緊急逮捕されたそうだ。ざまあみろ。中学の頃こいつに性的いやがらせをされて俺の初恋の娘は遠くに引っ越してしまった。力も知恵も頼れる大人も居なかった当時の俺には何も出来なかったがやっと溜飲が下がった。
 俺も友妃も帽子を被ってるしこんな寂れたコンビニに高性能のカメラが有るとも思えない。身元がばれる事はないと思うが今日の服は明日にでも処分しよう。
 暫く歩くとネオン菅が所々切れたボロいホテルがある。ここは所謂立ちん棒のお姉さん達が利用する安いラブホテルだ。ここにはお客の趣味に合わせてSMルームが数部屋用意してある。おまけにメインの客が立ちん棒だからここのオババは警察に対して口が固い。と、その道では有名なのだ。俺は最上階の露天風呂付きのSMルームを選んだ。
 まるで息切れをするように不安定な動きで最上階に着いたエレベーターを慌てて降りる。よく落ちなかったものだ。帰りは階段にしよう。
  
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