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見られたせいで。
第1章 見ーちゃった。
 高橋書店はこの町で唯一の漫画専門店だ。流行りの最新刊から絶版寸前の誰が知ってんだよと言いたくなりそうなマニアックな本まで揃ってる。ここの店主は筋金入りのオタクで俺の高校時代の同級生だ。大学を出たものの就職難で溢れていた俺を拾ってくれた店長には感謝している。俺の仕事の半分は私服での店内巡回だ。平たく言えば万引き犯を捕まえるのだ。
 今日もレジを店長に任せて店内を回っていると一人の客に目が行った。一言で言えば真面目な女子中学生。黒髪は肩口で揃えられたストレート。化粧気もなく制服には着崩したところは一点もない。生徒手帳の服装に関する校則欄に写真を載せたい程の模範生だ。だからこそおかしい。今は平日の午前11時過ぎだ。学校は未だ授業中だろう。真面目な生徒さんがうろうろしていい時間ではない。それに入店した時からキョロキョロして落ち着きがない。まさかな、と思いつつも眼鏡に触れる。これでブリッジと左右のツル計三ヶ所に仕込んだカメラで動画撮影開始だ。俺は彼女には視線を送らず手元のスマホと手に取った本を交互に見る。傍目には本の内容をスマホで調べてるように見えるだろう。が実際に見てるのはカメラで撮ってる映像だ。
 キョロキョロしながら一冊のコミックスを手に取り意を決したかのように一人で頷くとその手をバックに入れる。数秒後バックから出てきた手には何も持ってない。やっちゃったな。俺は商品を物色してる風を装い彼女の横に立つと呟く。
 「見ーちゃった。」
 ビクッと震え反射的に逃げようとするが背中から回して肩を押さえた手が逃亡を許さない。彼女の顔が見る間に紙のように白くなっていく。悪い娘じゃなさそうなのにな。俺は回りに客が居ないのを確認して更に呟く
 「バックに入っちゃった物戻そうか。」
 おずおずとバックの中から本を取り出すと元の平積みの山へ戻す。なかなか素直だ。 
 「逃げられるなんて思わないでね。さ、ついてきて。」
 肩に掛けてた右手を外し改めて左の手首を握ると観念したのだろう。大人しくついてくる。俺はレジの店長に軽く手を上げて合図すると店長は呆れ顔で肩を竦める。言葉にはしないがその顔には「また病気が出たな」と書いてある。高橋書店では万引き犯の処分は俺に一任されている。俺は一部の例外を除いて問答無用で警察送りにしている。一部の例外。それは女子小中学生だ。
 
 
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