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見られたせいで。
第1章 見ーちゃった。
 俺の病名は重度のロリコンだ。万引きで捕まえた女子小中学生は事務室の奥にある俺専用の尋問室に通す。この部屋には隠しカメラが三台仕掛けてありスマホの操作で何時でも録画出来る様になっている。眼鏡のカメラと違いこの部屋のは音声も撮れる。部屋に入る前から録画は始まっている。SDカード一枚で六時間は連続撮影出来る優れものだ。
部屋の真ん中には幅45㎝程の小さなテーブルに向かい合わせにパイプ椅子が一対置いてある。俺はドアを背にして座り彼女には奥の席をあてがった。
 「さてと。その制服私立桜ノ宮の中等部だよね?スカーフの色は・・・二年生かな?」
 図星を差され彼女の身体が固まる。自慢ではないが近隣の小中学校の女子の制服の事は網羅してる。返事がないので天板を思い切り平手で叩く。
 「返事は!」
 突然の大音量の怒声に涙目になりながらも小声で「そうです。」と答える。小さいながらもはっきり聞こえたが聞こえないふりをする。
 「聞こえない!何処中の何年生だ?」
 再びの怒声に震えながらも声を絞り出す。
 「私立桜ノ宮学園中等部二年柿原若葉です。」
 私立桜ノ宮学園はカトリック系の学校で幼等部、初等部、中等部、高等部。更には四年制大学に大学院まで在る県下に名高いお嬢様学校だ。偏差値も高く毎年卒業生を何名も東大を筆頭に有名大学に送り出してる。
 「若葉ちゃんね。なんでここに呼ばれたか判ってるよね。」
 返事がないのでもう一度天板を叩く。顔には出ないようにしてるけどこれ、結構痛いんだ。そろそろ脅しなしでも喋ってくれないかな?机の下で赤くなった手を振って痛みを誤魔化しながら腹の中で懇願する。 
 「万引きしたからです。」
 「万引きじゃないよ。お前がやったのは泥棒、窃盗だ!」
 万引きと窃盗では言葉の重みが違う。若葉は両目から大粒の涙をボロボロ溢して泣き出した。ここで手を緩めるわけにはいかない。
 「お前は何をした?」
 今度は拳で天板を叩く。掌はもう無理だ。
 「泥棒です。泥棒しました。」
 「学校と家に連絡するから生徒手帳を出せ!」
 反射的に左胸のポケットを抑える手を引き剥がして左手で天板に押し付ける。おほ。小さくて可愛い手だこと。右手では生徒手帳を抜きながらどさくさ紛れにオッパイを撫でる。
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