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わたしを見ないで
第4章 指名返し
 春山からだ。
 既読はつけなかった。
 もう2回も既読スルーしているのに、何事もなかったかのように「おーい」なんて送ってくる春山は頭がおかしい。
 わたしはどれだけアイツにとって舐めた存在なんだろう。
 

 八田先生が言った通り…
 わたしはラグビー部の春山のことが好きだった。

 春山はわたしの気持ちを知ってて、わたしとエッチした。
 春山との関係は中3から…別々の高校に進学したあとも高3の夏まで定期的に続いた。

『もう春山と会うのはやめる』

 最後にホテルに行った帰り、わたしは春山にハッキリ伝えたはずなのに。
 それなのに春山からは定期的にLINEが入る。
 春山にとってわたしはどれだけ都合のいい女なんだろう。
 …わたしはどれだけ都合のいい女に成り下がっていたんだろう。



 でもそれも今日で終わった。
 春山のことが好きで、言いなりになっていたわたしはもういないのだ。



 あれだけ長い間片想いして苦しんだ相手なのに、
 急に気持ちが吹っ切れたのは、
 たったの1日で8人もの男と、アイツとしたような事をしたからだろうか?



 アイツとはただでしたことを、わたしにお金を払ってまでしたがる男が8人もいたことを知ったからだろうか?



 いいや、八田先生があんな話をしたから?
 …もうどうだっていい。
 

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