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地味子が官能小説を書いたら
第11章 ラストショー
ふ~、私は大きく息を吐いた。

6月も半ばを過ぎ、ようやく私は小説を書き終えた。

書き上げた小説の下書きを電研のメンバーに見せ、意見を取り入れた後に正式にリリースする予定だが、ひとまず片付いたと言って良いだろう。


「小説を書き終えたら、花音先輩、もうここへは来ないんすか?」
お留守番を任された子供が不安がるような表情を、流留が見せた。

「ううん、まだライティングの仕事があるから、できれば使わせてもらうつもり」

「やった~、花音先輩がいないと寂しいっすよ」

「うむ、お嬢、遠慮なくここを使ってくれ、お嬢がいると皆が生き生きとしているのが分かる」
相変わらず、向島は私の方を見ないで喋るが、最近では横向きまではできるようになっていた。

「ありがとうございます、向島先輩、助かります」

時間を確認すると、4時限目が終わった頃だった。明日は、弁岳と放課後にデートを予定していた。


明日、私は弁岳に返事をするつもりだ。



断りの……



流留の部屋にご飯を作りに行った時に私は、恋をするのに『ときめき』が必要なのだと気付いた。

その後も弁岳とは数回デートを重ねたが、やはり、ときめきは得られなかった。これ以上、中途半端に関係を続けても、お互いのために良くないだろう。

きっと、頭の良い弁岳はもう私の答えに気づいていると思っている。



でも、その後、私はどうするのだろうか?

文剛への気持ちが絶ち切れていないことは自覚しているが、今更、どうしようもない。

また余計な考えが頭を過り、私は首をブンブン横に振った。


どうという事はない、私は元々一人ぼっちだったのだ。

それが今や、美鈴や遥、それに流留と電研のメンバー、たくさんの友達ができた。

文剛が開けた穴からいくら隙間風が入ってきても、それを補って余りある環境に私はいる。


いつか、きっと私をときめかせてくれる男の子が現れる……はずだ。

「今日もありがとうございました、わたし、今日はこれで帰ります」
いつものように礼を言って、電研のメンバーに別れを告げた。

「あ、俺、送っていきますよ」

「また~? 別に送らなくても良いのに~」


「酷いな~花音先輩、最近『S』化してないっすか?」

何時ものやり取り……

最近、私たちは一緒に帰ることが多い。




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