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地味子が官能小説を書いたら
第11章 ラストショー
流留……

彼はいつも私に尽くしてくれる。

私の事が好きだと言った。私のダメな部分も含めて好きだと言った。私に相応しい男になると言ってくれた。


流留の気持ちを私が受け入れたなら、きっと彼は私を大切にしてくれるだろう。

いっそ、そうできたら……どんなに楽だろう……

隣を歩く流留の横顔を、つい見てしまう。


(明日、小机君に正式に断りを入れたら、考えてみようかな……流留のこと)

流留はきっと、飛び上がって喜ぶだろうな……


想像して、思わず私はほくそ笑む。


「なにさっきからニヤニヤしてるっすか? 気持ち悪い」


「してない、してない、変なこと言うな!」私はむくれてしまう。

こんなやり取り、他の男の子とはできない、だったら、流留で良いじゃないか。

『ときめき』は後からついてくるかもしれないし、なくても楽しさは変わらない。


だったら……


明日、弁岳を断ったら次の日……


流留を……








「あれ~、桐谷先輩?」

「ん?」


「また、あの人と待ち合わせしてる」


(文剛!)


先週から私はコンタクトレンズを着用している。

正門の前で待ち合わせて、腕組みする二人がハッキリと見えた。

そのまま二人は、渋谷の方へ歩いていく。


「やっぱり、あの二人って付き合ってるんっすね、とうとう桐谷先輩も彼氏もちか~」

「あ、また別ルートで帰りますか? 花音先輩」

「大丈夫、行きましょう」

私の中に、またしてもモヤモヤの実がなる。


二人の後を追いかけようと、つい歩調が速くなる。

「花音先輩、どうしたんすか? 桐谷先輩が怖いのでは? こんままじゃ追いついちゃいますよ」

しかし、文剛たちに追いつく前に彼らは駅の中に入って行く。どうやら駅を抜けていくようだ。

「あれ、どっか寄って行くんすかね? あの二人」


「私たちもあっちに行ってみよ……」

私は、もう自分が抑えきれなかった。

「ちょ、花音先輩、どうしたんすか? 悪いですよ、他人のこと尾行なんてして」

「流留は帰って良いよ、付き合ってくれてありがとう」

「いやいや、このまま放っておけないっすよ、世話の焼ける人だな~」

文剛たちは、駅を抜けると道玄坂の方へ向かって歩く。

「花音先輩、この先って、もしかして……」

文剛たちが入り込んだのは、ラブホ街だった。



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