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地味子が官能小説を書いたら
第6章 悲しみ深すぎて
「ありがとう」

私は電話を切った。

やはり、『持つべきは友』だ。千佳と話せたことで、私は随分と落ち着くことができた。

「よし!」

とりあえず、やらなければいけないことを片付けよう。私は部屋の窓を開け、空気を入れ替えた。

そして、バケットバックに入っていた荷物を取り出す。

(あ、文剛君が入れてくれたお茶とウエットティッシュ、持って帰っちゃった)

お茶とウエットティッシュ、お弁当を出す。

お弁当包みを解き、空にになった容器を見て、またもジワリと波が寄せてくる。

今日は、私の人生で一番楽しい一日だった。

そして、一番悲しい一日でもあった。


また、今日みたいな日を過ごせるのだろうか?


(戦わなきゃ!)

私は、空の容器を流しに持っていき、水に浸けた。

とにかく月曜日、文剛にちゃんと謝れるように、練習しよう。





月曜日、1限目に一般教養の講義がある。そこで文剛とは会えるはずだ。

よし、私が教室に入る所から始めてみよう。

「よ~い、スタート!」

<私が教室に入ると、文剛は既に席に付いている。何時も、ひな壇の真ん中辺りに彼は座る。>

「おはよう、文剛君」

<私は、ごく自然に文剛君に『おはよう』を言う>

<きっと、文剛君は何か言おうとするだろう、でも、その前に私が、先に謝る>

「文剛君、土曜日はごめんね、わたし、臆病で」

『そんなことないよ、僕が乱暴すぎたんだよ』

「ううん、文剛君は優しかったよ、ただ、私の準備不足だったの」

「迷惑でなかったら、今度の土曜日、続きをしてくれる?なんなら、泊まりがけで」

『でも、良いの?僕には他に好きな人がいるんだよ』

「いいの、だって、私は文剛君が好きなんだもん」

『花音ちゃん、僕、好きな人の事はあきらめるよ、今は、花音ちゃんが好きだ』

「文剛君、嬉しい~」

<お互いのわだかまりが解け、二人は教室の真ん中で抱き合うのだった>

<すると、周りの学生たちが集まってきて、拍手する>

『おめでとう~』『おめでとう~』


妄想しながら、私は自分で自分を抱きしめていた……



まあ、告白はないとして、今度の土曜日に、私は処女を捨てる。

文剛が私を好きでないとしても、先ずは既成事実を作る。そして、他の女の子に付け入る隙を与えない。

フェアではないが、これは『戦い』なのだ。




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