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地味子が官能小説を書いたら
第6章 悲しみ深すぎて

ピピピピ……


目覚まし音が鳴り響く。カーテンの隙間から陽の光が差し込む。

私は、スマホの画面をタップし、アラームを止めた。画面に大きく”06:00”と表示される。

待ちに待った月曜日、私は何時ものように午前6時に起きた。

これからお弁当を作って、学校へ行く準備する。


今日は1限目に一般教養、2限目に必須科目の受講を予定している。

1限目で文剛を捕まえて、土曜日の事を謝罪する。

捕まえたら、シミュレーション通りの展開に持ち込むのだ。



そのために、私は日曜日を準備期間にあてた。

これまでオシャレに気を使ったこと等なかった。単純にお金がなかったからだ。

ただ、幸いにもライターの仕事が増えたおかげで実入りが良い。少しオシャレにお金を使うことにした。


今まで着ていた野暮ったいトレーナーとジーンズをやめ、私の武器である大きな胸を強調した服装に替える。

ファンデーションを塗って、マニキュアも塗る。サンダルを履くときはペディキュアも塗って、少しでも女の子らしくする。

香水は苦手なので、ボディミストをこまめにつける。

それと、リップ、これもつけていると印象が変わってくる。

髪は昨日、初回半額の美容院でカットしてもらい、もっさりしていた頭をスッキリさせた。頭が軽くなったことで、心なしか暗かった私の表情が明るくなった気がする。


あとは、このzoNSで買った5000円の眼鏡だ。これがただでさえ冴えない私の顔をさらに台無しにしている。


本当はコンタクトにしたいところだが、もう少し収入が増えてからでないと無理だ。

幸い近くを見るだけなら、そんなに不自由はしないし遠くもなんとなく見える。

だから、勉強や仕事をするとき以外は思い切って眼鏡を外すことにした。



眼鏡を外すことで、目の周りにも手を加えられるようになった。やり方はYoutube で学び、アイテムも100均でそろえた。

鏡の前で確認すると、昨日までの私とは別人がいた。


(あれ?わたしって、ずっと自分の事をブスだって思ってたけど、そうでもないんじゃない?)


もちろん、紗栄子のような超絶美少女にはほど遠い。

「よし!装備は整った」


はやく、文剛に会いたい。


私は、いつもより15分、早く家を出た。


「いざ、出陣!」




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