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地味子が官能小説を書いたら
第6章 悲しみ深すぎて
「去年」

ようやくまともに話せるようになった美鈴がそれまでとは口調を改めて話し始めた。

「文サーの懇親会の時、綾瀬さんが小説書いてるって言って、わたし、読んでみたんだよね」

「あの時はまだ、『潮騒の記憶』だけだったけど、そのあとも書き続けて、賞もとったり、同じ歳なのに凄いな、なんて思ったの」

「わたしたちの文サーって、殆ど活動してなくて、年に数回の懇親会だけのサークルじゃない、私がいくら短歌を作っても、誰に見せるわけじゃないし、独自でコンクールに出すけど、もっと多くの人に評価して欲しくなったんだ」

「それで、わたしも小説を書いてみよう、てことになったの」

「そうだったんだ……」

「ね、サイトに投稿してるんだよね?どこなの?」

「『オマショー(おまえら小説読ませたいか)』、綾瀬さんと同じだよ」

『オマショー』は、素人の作家が作品を投稿するサイトで、似たようなサイトはあるが、その中でも最王手のサイトだ。

ジャンルも様々なものがあり、今回、私が応募しようとしている官能小説のコンクールも、このサイトで開催される。

普段は少額の賞金やクオカードが賞品なのだが、今回だけ破格の賞品となっている。


「そうなんだ、知らなかった、作家名はなに?わたし、読んでも良い?」

「光明寺雨雲って名前で書いてる」


「あっ!」わたしは思わず声をあげた。

「『群青に描いた飛行機ぐも』の」


「そうそう、読んでくれたの?」

「うん、だって3月の月間賞を取ってたじゃない」

「うん、クオカード貰ったよ、もう私の胃袋に入ったけど」といって、美鈴は笑った。


ちょっとしたきっかけで、人って仲良くなれるんだ、私は、美鈴や遥との距離が一気に縮まった気がした。

「ところで、本題なんだけどさ、良かったら、わたしたちに話してみない?」

「う、うん」

少し躊躇する私。

「わたしたち口は堅いから、他の人には話さないし、それに、あんな表情の綾瀬さんを放っておけないよ」

「うん、カノンちゃん、信じて」遥がクリクリした瞳で見つめる。


私は、今日までの事を彼女たちに話した。



「なるほど」

「要約すると、こういうことね」

美鈴の表情が怒りに満ちている。

この展開……少し不安を覚えた。




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