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地味子が官能小説を書いたら
第10章 初夏の頃

「この奥に、滝があるんだ、良い景色だよ」
弁岳の後に続いて遊歩道を上っていくと、つり橋があり、その横を滝が流れている。
「うわ~、凄いね、滝が直ぐ近くで見れる」
ザラザラという音とともに水が流れ落ちている。
「ここは冬になると凍ることもあるんだ、それに、紅葉の季節は周辺が真っ赤になって、凄くきれいなんだよ」
「小机君は、ここへは良く来るの?」
「そうだね、普段はオートバイで来るんだけどね」
「オートバイも乗るんだ、小机君って、乗り物が好きなんだね」
「あはは、花音ちゃんは、普通の人とは違う反応を見せてくれるんだね」
と、弁岳は微笑んでみせた。
「え、わたし、何か変な事を言った?」
つい、不安になる。これまでも散々やらかしてる私だ。
「ううん、そうじゃなくて、車やバイクの話をすると、学生のくせに親から買ってもらった道具で楽しめて良いね、みたいな反応をする人が多いから、でも、思ったとおり、花音ちゃんは独自の反応を示してくれたよ」
「わたし、どこかズレてるから……」リアクションに困る。
「紅葉の季節、今度はバイクで花音ちゃんと来れたら良いな」
ぽつりと言った弁岳が、何処か寂しそうで、私はまた不安になる。
駐車場に戻り、時間もお昼なのでお弁当を食べることにした。
駐車場には8人掛け程のテーブルが2つ設置されており、私たちは4人家族と相席する形で座ることにした。
お弁当を広げると、弁岳が覗き込み、驚きの声をあげる。
「すごいね、これ全部、花音ちゃんが作ったの?」
「うん、自炊しているから、料理は得意なの」
「へ~、僕、女の子の手料理って、初めてだよ」
「そうなんだ、大学の同級生は作ったりしないの?」
「サークルで出かけたりするけど、うちの大学の生徒は基本的にお嬢様ばかりだから、自分で料理なんてしないんだよ」
「そっか……」と庶民な私。
「すごい、おいしいよ、美味しい」
と弁岳も、文剛のように美味しそうに食べてくれた。
また、チラリと文剛の事が頭を過る。でも、何だろう、何か足りない……
同じように、私の作ってくれた料理を男の子がパクパクと美味しそうに食べてくれているのに、何かが、足りない……
「美味しかった~。ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
あの時と同じ挨拶を交わす。
何かが欠けている……
弁岳の後に続いて遊歩道を上っていくと、つり橋があり、その横を滝が流れている。
「うわ~、凄いね、滝が直ぐ近くで見れる」
ザラザラという音とともに水が流れ落ちている。
「ここは冬になると凍ることもあるんだ、それに、紅葉の季節は周辺が真っ赤になって、凄くきれいなんだよ」
「小机君は、ここへは良く来るの?」
「そうだね、普段はオートバイで来るんだけどね」
「オートバイも乗るんだ、小机君って、乗り物が好きなんだね」
「あはは、花音ちゃんは、普通の人とは違う反応を見せてくれるんだね」
と、弁岳は微笑んでみせた。
「え、わたし、何か変な事を言った?」
つい、不安になる。これまでも散々やらかしてる私だ。
「ううん、そうじゃなくて、車やバイクの話をすると、学生のくせに親から買ってもらった道具で楽しめて良いね、みたいな反応をする人が多いから、でも、思ったとおり、花音ちゃんは独自の反応を示してくれたよ」
「わたし、どこかズレてるから……」リアクションに困る。
「紅葉の季節、今度はバイクで花音ちゃんと来れたら良いな」
ぽつりと言った弁岳が、何処か寂しそうで、私はまた不安になる。
駐車場に戻り、時間もお昼なのでお弁当を食べることにした。
駐車場には8人掛け程のテーブルが2つ設置されており、私たちは4人家族と相席する形で座ることにした。
お弁当を広げると、弁岳が覗き込み、驚きの声をあげる。
「すごいね、これ全部、花音ちゃんが作ったの?」
「うん、自炊しているから、料理は得意なの」
「へ~、僕、女の子の手料理って、初めてだよ」
「そうなんだ、大学の同級生は作ったりしないの?」
「サークルで出かけたりするけど、うちの大学の生徒は基本的にお嬢様ばかりだから、自分で料理なんてしないんだよ」
「そっか……」と庶民な私。
「すごい、おいしいよ、美味しい」
と弁岳も、文剛のように美味しそうに食べてくれた。
また、チラリと文剛の事が頭を過る。でも、何だろう、何か足りない……
同じように、私の作ってくれた料理を男の子がパクパクと美味しそうに食べてくれているのに、何かが、足りない……
「美味しかった~。ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
あの時と同じ挨拶を交わす。
何かが欠けている……

