この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
不倫研究サークル
第13章 それぞれの道
「その……、愛莉……、カレシと別れて、僕と付き合う事ってできないかな?」

その日の二回戦の後、僕は自分の気持ちを打ち明けた。もし、美栞と関係を結んでしまったら、愛莉とはこのまま曖昧な関係を続けることになるだろう。

今なら、愛莉以外との関係を全て絶って、お互いに恋人同士になれる。

でも……、

愛莉は僕の言葉に、背中を向けた。

「わたしね、圭で二人目なの、経験したの」

愛莉は後ろ手に僕の手を握ると、自分の胸の前に引き寄せ、両手で握りしめた。


「カレシは、中学の同級生で、彼から告白されて付き合い始めたわ」

「……」

「すぐに、初体験も済ませて、それからずっと付き合ってる。 途中、何度か別れたけどね」

「じゃあ、別れることに抵抗はないんじゃない?」

愛莉は黙って首を振る。


「カレシ、高校も行ってなくて、あ、元々頭は悪かったんだけどね 笑」

「何をやってる人なの?」

「フリーターしながら、劇団に入って役者を目指してる」

何とも不安定だ、と僕は思ってしまう。人生設計もなにも考えていない、絶対に愛莉を幸せにできるはずがないと。

「フリーターだからって、馬鹿にした?」

「う、うん。 正直、愛莉を幸せにできるとは、思えない」

僕は素直な意見を言った。

「そうだよね。 アイツ、ヘタレでさ、いろんなことから逃げてばかりで、親にも見放されて……、多分、役者なんて無理だと、わたしも思ってる」

「だったら!」

僕は、つい声が大きくなる。


「でも、わたしが見捨てちゃったら、アイツ、一人だもん。 可哀そうだよ」

「そんなに、カレシのことが好きなんだ……」

もしかしたら、愛莉は僕のことが一番好きなんじゃないかと思っていたが、ハッキリと言われると、気持ちが沈んでしまう。

「だから、いつも言ってるじゃない、圭は二番だって。 圭だって、わたしの事が一番じゃないでしょ?」

「僕は……」

言いかけた僕の口を、振り向いた愛莉が、唇を合わせて塞ぐ。

「ね、お願い。今のままで居よう」

「分かった、ゴメン」

「ごめんなさい、この関係の方が、きっと長く続くと思うから……できるだけ圭との時間も作るから、許して」

「いや、僕の方こそ、自分勝手なこと言って、ゴメン」

「ね、まだできる?」

「うん、大丈夫」

三回戦が、始まった……。




/200ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ