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不倫研究サークル
第13章 それぞれの道
「森岡には、目標とか、夢とか、ありますか?」

突如、話題を変えられ、戸惑う。僕は、どうなのだろう?

「僕は……」


「ワタシの目標は、日本人の女性で初めてのノーベル賞受賞者になる事です」

「あ……、あ……」

美栞は本気なのだろう、しかし、あまりにも大きな目標に、僕は唖然とする。

「変ですか? ワタシの目標は」

「いえ、あまりにも大きな目標なので、ビックリしただけです」

「アナタのおかげで、日本に思い残すことは無くなりました」

美栞は、そう言うとギュッと抱きついてきた。大きな胸が圧しつけられる。

「森岡が好き……」

「ミカン先輩」

「恋愛は、苦しいものだと知りました。 そして、セックスは満たされるものだと」

「ミカン先輩、イギリスにうどんを送ります。 だから、月並みだけど……
頑張ってください」


美栞は、顔をあげ驚いた表情を見せる。

「アナタ、ふざけてますね? この状況で、うどんですか?」

「いえーー、真面目ですよーー」

「まあ、良いです。 たまには電話してください。 ワタシも頑張れます。
それから……」

「はい?」

「森岡が、自分が何をすべきか見つけたときは、教えてください」

「はい、きっと、報告します」

「森岡も、好きな人がいたら、素直になりなさい」

僕が好きな人……、愛莉には恋人に慣れないと言われた。そして、小梢とも付き合えない。
いつか僕にも、普通の恋愛ができる日が来るのだろうか?

「でも、ミカン先輩が言っても説得力ないかと」

「そうですね。 ワタシも今度好きな人ができたら、素直になります」

「ミカン先輩なら、引く手あまただと思います」

この爆乳は、男なら放っておけないだろう。それに童顔で可愛い美栞にアプローチをかけてくる男性は、いくらでもいると思った。

「ワタシがノーベル賞を受賞したら、森岡は自慢して良いですよ」

「ええ、マスコミにミカン先輩の初めての男は僕だって、インタビューに答えますよ 笑」


「アナタ、やはり、ふざけてますね」

「真面目ですよ。 ミカン先輩がノーベル賞を受賞して会見を開いているシーンを思い浮かべてました」


「森岡……」

美栞は、自ら唇を合わせてくる。

(さようなら……、ミカン先輩)

惜別のキスなのに、小梢の時と違い、悲しみはなかった。




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