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不倫研究サークル
第13章 それぞれの道
「わ~、圭の部屋って、結構綺麗にしているのね。
やっと入れたよ 笑」

結局、ビッグニュースに釣られ、僕は陽菜を部屋へ招き入れていた。
これまで、何度か遊びに来たいというのを、全力で阻止してきたのだった。

「どれどれ、エロいものはないのかな~」

陽菜は、ベッドの下をスマホのライトで照らしながら覗き込んでいた。

「あれ~、男子って、ベッドの下にエロいものとか隠すんじゃないの?」

「なんで一人暮らしで隠す必要があるんだよ?」

そんな事より、僕は小梢についてのビッグニュースとやらが気になって仕方なかった。


「ところでさ」

「ん?」

「なんで枕が二つあるの?」


(しまった、普通に不自然だったかーー!!)

愛莉が頻繁に泊まりに来るようになってから、僕は枕を二つにしていた。

「そ、それは……だな、僕は寝相が悪いから、二つないと枕から頭が落ちちゃうんだ」

「なんだ~、ワタシのために用意してるのかと思ったよ。
圭、一緒にお昼寝しよ~」

そう言うと、陽菜はベッドに寝転がり、枕に顔を埋めた。



「……」


「どうした? 陽菜」

枕に顔を埋めていた陽菜が、ピタリと動きを止めて、死んだようにじっとしている。

「女の人の匂いがする!」


(!!!)


昨日、愛莉が泊まって、朝方帰ったばかりだ。その残り香に陽菜が反応したのだと直ぐに分かった。


「き、気のせいだろ、柔軟剤の匂いだよ」

「違う! あーーー!!!」
「な、なんだよ?」

「長い髪の毛、女の人の髪の毛が付いてる!」

「いや、それは違うんだ」

「何が違うの? 髪の毛なんて、圭以外に付かないんじゃないの?」

陽菜が詰め寄ってくる。しかも、目が細くなって『アヤシイ~』といった表情になっていた。

愛莉はショートカットだから、それほど長い髪の毛ではないはずだ、なんとか誤魔化せるかもしれないと、僕の頭脳が姑息に働く。

「そうだとも、僕の髪の毛だよ、たまたま長めの髪の毛がついていたんだろ、女の子の髪にしては短いだろ」

陽菜は、ますます目を細める。

「ふ~ん、ショートカットなんだ、その子」

「なっ!?」

(なんで分かったんだ!?)

「そもそも、髪の毛が付いてたなんて、嘘」


(くそ! かまをかけたのか!)





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