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不倫研究サークル
第14章 愛莉
六月も後半となり、僕と愛莉は半同棲状態となっていた。

愛莉は、母子家庭で育ったこともあり家事全般は得意だった。特に料理は、一人暮らしでロクなものを食べていなかった僕にとっては、とてもありがたかった。

その日も、愛莉が作った料理を囲んで僕たちは夕食をとっていた。

「ねえ、愛莉。 夏休みになったら、どこか旅行しない?」

「う……ん、そうね……」

どこか、愛莉の様子がおかしい、ここ数日、食欲もないみたいで、どこかけだるそうでもある。

「愛莉……、大丈夫? 具合悪いの?」

愛莉は、弱々しい笑いを見せながら、無言で首を横に振る。

「ちょっと、胃の調子が良くなくて……」とそこまで言って、急に立ち上がり、トイレへと駆け込んだ。

「愛莉?」

トイレから、愛莉の苦しそうな声が聞こえた。

「愛莉、どうしたの?」心配になり、トイレへと様子を見に行くと、洗面台に向かって嘔吐している。

「愛莉、大丈夫? 顔が真っ青だ」

「ご、ゴメン……、今日はもう、帰る」

「え? じゃあ、送っていくよ」

「いいよ、一人で帰れるよ」

愛莉はそう言うが、とても大丈夫そうには見えない。

「ダメだ! 僕は愛莉を大切にするって言ったんだ。 こんな状態で一人で帰せられないよ」

「分かった。 じゃあ、家まで送っていって」

「お母さんは? 今日も仕事かな?」

「母さんは……、どうだろう? 分からない」

僕は、愛莉を一人にしておくのは心配だったが、愛莉の家に泊めてもらう訳にもいかない。せめて、ギリギリまで愛莉の家に留まろうと考えた。




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