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不倫研究サークル
第16章 卒業
「うん、気づいたのは三年前かな、圭が愛莉さんと付き合いだした頃、あの頃に圭ってママと別れたでしょ」

愛莉と付き合いだし、佳那とは関係を断っていた。同じ時期に関係を持っていた綾乃とも関係を断っていたが、綾乃とはその後、復活していた。

「ママが不倫してたのは気づいてたんだけど、あの時に凄く落ち込んでいて、それで多分、相手は圭だったんだろうなって気づいたの」

「ゴメン……、陽菜、でも、どうして僕と?」

「ママは可哀そうだけど、ワタシはやっぱり圭が好きだもの、だから今日はどうしても、して欲しかったの」

佳那は今日、どんな気持ちで陽菜を僕の元へ行かせたのだろう?
佳那の気持ちを思うと、胸が苦しかった。

「ね、一緒に夜を明かすのって、富士山以来だね。
今日は、いっぱい甘えさせてね」

陽菜と、東京で過ごす最初で最後の夜は、静かに更けていった。







翌朝、朝食をとりながら、僕は今後の事を話し合わなければと思っていた。

「なあ、陽菜、付き合い始めて直ぐに離れ離れになってしまってすまない」

陽菜は、何を言ってるのか分からないと言った表情をしている。

「だけど、できるだけ東京へは行くし、その……大学を卒業したら、僕の所へ来てくれないか? 四年も待たせて、そこから更に四年も待たせる事になって悪いとは思ってる」


「イヤよ」


「へ?」


「ワタシ、今日で、圭とは別れるんだから」

「え……と、何を言ってるのか、分からないんだけど……」

予想外の陽菜の言葉に、僕は思考が追いつかない。

「ワタシ、遠恋はムリだから、圭の事なんて、さっさと忘れて他に恋人を作るの」

「いや、いや、おかしいだろ、だったら何故、ぼくと経験したの?」

「約束だったじゃない、ワタシと付き合ってくれるって」

陽菜は、『何を言ってるの?』と言った表情で澄ましてる。

「でも、この先付き合う気はないんだろ?」

「そうよ、交際期間一日 笑」




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