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体育倉庫のハイエナ
第48章 48
 語る四人の口調は、一一“やった”と、奈津子に対してやはり恩着せがましかった。

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 時に奈津子は、四人が楽しげに語り合ううちに、また別の困った事態に陥ったみたいだ。

 なおも繰り返し巻き上げている嬌声の、その狭間に織り込む形で、奈津子がその事実を白状した。

「んふわああぁぁッ!――出ちゃうッ!まッ、また出ちゃうッ!――」

 それを聞いた四人は、途端に談笑を止めて、然る間にマサムネがニタニタ笑いながら聞いた。

「何が『また出ちゃう』んだよ…?」

 相当、焦っているんだろう――奈津子は間髪入れず、答えた。

「オシッコですッ!――ふぅはあぁぁあぁッ!――オシッコがッ、また出ちゃうッッ!――ふんはぁあぁッ!」

 そこでマモルが、長く挿入していたペニスを、奈津子の秘部から引き抜いた(同時にマサムネとヒデアキも、奈津子の乳首からそれぞれ手を放した)。

 すると奈津子は、その顔に安堵の表情を浮かべて、長い溜息を六回漏らした――その後に、体育倉庫の外に向けて放尿を始めた。

 四人に晒す、その日二回目の放尿だ。

 ジョォォォォ――という、はしたない音が、沈黙の中に静かに響いた。

 やがてその音が治まると、体育倉庫の外にいるマモルが冷笑を湛えた声で、奈津子に聞いた。

「奈津子ちゃん、今何したのかな…?」

「オシッコです…」

 奈津子は小さな声で、でも特に躊躇う様子も見せずに答えた――二回目ということもあってか、多少なりとも“慣れ”のようなものがあったのかも知れない。

 しかしながら、次にマモルにこう尋ねられた時には、奈津子の顔から一瞬にして、安堵の表情が消えた。

「どうしてトイレに、行こうとしなかったのかな?」

 奈津子の顔は、凍り付いたように強張った。

 合わせて体育倉庫の内側にいる三人の顔に、意地悪な笑みが浮かんだ。

 マモルの指摘は正しい――確かに先程の奈津子は、マモルのペニスを秘部から抜かれた瞬間、まるでそこでするのが当然のように、放尿を始めた。

 きっと『トイレに行く』という発想は、微塵も頭に浮かばなかったんだろう。

 ニヤニヤ笑うマサムネが独り言のように、でもしっかりと奈津子にも聞こえるように、呟いた。
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