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体育倉庫のハイエナ
第19章 19
 その際、奈津子はレンヤに尋ねた。

「レンヤ先輩のお尻の穴に、キスしても、いいですか……?」

 レンヤは、まるで春の柔らかい陽射しのように、優しく優しく微笑んで頷いた。

 奈津子は嬉々として、レンヤの背後に移動する。ウサギが飛び跳ねるみたいだった。

 そして奈津子は、レンヤの引き締まった、見るからに堅そうな尻肉を、両手でグッと引き裂いた。

 その時、レンヤが独り言のように呟いた。

「何だかちょっと恥ずかしいな…お尻の穴にキスされるの、初めてだから…」

 大人びていて、普段は頼もしく見える、そして何よりも“美男子”であるレンヤが垣間見せた『恥ずかしい』という少々弱気な側面と、肛門のキスが未経験であることの告白は、大いに奈津子を喜ばせたみたいだった。

 背中を向けているレンヤには見えなかっただろうけど、その時奈津子は、今一度愛を告白されたみたいに、その顔を綻ばせた。

 然る後、奈津子が言った。

「じゃあ私が、レンヤ先輩のお尻の穴のファーストキス、奪っちゃいますね…」

 奈津子が唇を尖らせる。その先でチュッっと、肛門に吸い付いた。  

 でももちろん、先ほどのレンヤの告白は嘘だった。

 レンヤの肛門に口づけするのは、奈津子が初めてじゃない。

 少なくとも今までに犯した四人の女子は、みんな肛門にキスしたし、きっとそれ以外の機会でも、レンヤは多くの女子にそれをさせていたに違いない。

 結局のところ、レンヤはここでも奈津子を騙して、ぬか喜びさせて、楽しんだのだ。

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