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イキ狂う敏腕社長秘書
第8章 【間違った選択】





「してると思ってるの?」




「いや……信じたい」




「じゃ、信じてて……」




私からのキスで骨抜きにしちゃえば強く出てこれないでしょ。
トロンとした目、可愛いよ。




「浮気なんて出来ないよ……私はたっくんのものだから」




「うん………連絡待ってる」




満面の笑みで出て行った彼。
余韻に浸る間もなく朝の準備に取り掛かる。
午前中はアポ取ってある取引先と打ち合わせが2件と忙しい。
移動距離も結構あるから余裕などない。




それでも余裕を持ってこの笑顔だ。




「おはようございます、社長」




朝日に負けないくらい眩しい笑みで挨拶を交わしてくれる。
この瞬間から私は専属秘書の顔になるのだ。




「今日は髪降ろしてるんだな」




「すみません、お気に召さないようでしたらアップに致します」




「いや、新鮮でいいよ」




OKが出たのでそのまま本日のスケジュールをお伝えする。
降ろしてるといってもハーフアップだ。
ニッコリ笑ってくれたが本当はわかっている。




エレベーターに入り扉が閉まれば壁に押し倒されるのは薄々感じていた。




やっぱり激しい………そう仕向けたのは私だけども。




「こうされたくて髪型変えたの?」




「そんなつもりじゃ……」




「完全に煽ってるけど?それ」




「では後で直します」




「直しちゃダメ、どんな美雨も可愛いよ」




「それはありがとうございます」




「ねぇ、何で今日パンツスタイルなの?」




「ですから本日は○○証券と打ち合わせの後…っ」




最後まで聞いてよ、人の話。
エレベーターが動いてる間は何が何でもキスしたいらしい。
骨抜きさせられた後。




「移動が多いからです…っ」




息継ぎもままならず声を絞り出す。
完全に弄ばれてる。
社長だから抗えないんじゃなくて、この人だから抗えないんだ。
随分とこの身体に染みついてしまった。




きっとこの先も私の人生の中で……なかった事には出来ない。




「俺以外に脚が見えなくて良いけど、急には襲えないなそれ」




「襲わないでください」











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