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イキ狂う敏腕社長秘書
第11章 【静かに狂い咲くように】
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クッション性のモノをせっせと貼り終えた後。
「意外とアザになってたりするので気を付けてくださいね」
彼にこっそりそう話しかけた。
耳まで真っ赤にして大きな返事。
入社して2年目だとか。
「美雨ちゃん今週の金曜とかどう?」
「え?何すか?飲み会とかですか?」
「村上くんはお誘いしてないからね」
「うわ、酷くないすか?」
「残念でした、女子会だから入って来ないでくれる?」
「先輩知ってました?僕夕方5時以降は女子なんですよ」
「はいはい、あっち行ってな?」
まるで漫才を見てるかのような息の合った上下関係に羨望の眼差しを向ける。
信頼し合ってるからこそ生まれる間だよね。
同じ期間働いてる私たちは、場所は違えどこんなに差が出来てしまうものなのか。
私にはこんな事を言い合える部下は居ない。
常に1人だ。
幸い先輩方には良くしてもらっているけど一緒に居るだけで未だ緊張してぎこちなくなる。
こんな風に先輩にもっと可愛がってもらえたら楽しいだろうな。
私にはそれが出来ないし先輩方もそうしたいと思える部下ではないのだろう。
もしも移動がなくてずっと総務課に居たのなら私もこの輪の中の1人だったのかな。
「え、じゃあ私たちも行きたいです!」
驚くことに私と彼女が女子会をすると知って他の女性社員たちが次々と声を上げてきてくれた。
本当に本当にはじめまして…の方々だけど良いのかな?
困っていた彼女に私から提案するなんて事も初めてなんだけど。
「あ、じゃあ……親睦を深める意味で皆さんでどうかな?金曜日ならOKだよ」
同期のよしみで元居た部署の仲間と飲みに行く事になりました。
渋々幹事は同期の彼女になり、無理やり人数を締め切っていた。
「楽しみにしてます」とその場を離れた。
エレベーターを乗り継ぎ秘書課へ戻る途中。
会議室のある階に止まったので不思議に思った。
あれ?今の時間どこか使ってたっけ?
扉が開くと乗り込もうとしてきたのは先ほど一緒になった永田課長。
一瞬固まる私の手を取りエレベーターから降ろされた。
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