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イキ狂う敏腕社長秘書
第11章 【静かに狂い咲くように】





「えっ?ちょっと……課長!?」




フロアには誰も居ないけど何事かと身構えてしまう。
引っ張る手も少し荒々しい。
簡単に使われていない会議室へと連れ込まれる。




私、こういう時割とチョロいんだよね。
本気で拒んでもきっと抵抗出来ないと思う。
すぐに降り掛かってくる唇さえ避けたりしないんだよなぁ。




怒ってる?何で?




「美雨の合図……待てねぇよ」




嗚呼……そうか。
ごめんなさい、忘れてました。
放置し過ぎましたよね?
さっきエレベーターで一緒になった時は素っ気ない素振り見せてたのに。
腹の中じゃイケナイこと考えてたんだ?




「遅過ぎ……」ってまた唇を塞がれた。
逃れられないよう顔まで固定されて。
ちょっと待って……もう少ししたら誰か来ちゃいますよ?
使用許可出てましたから。




まぁ、とりあえず怒りが収まるまで待ちますか。
荒々しい舌の動きに応えてあげる。
首の後ろに手を回したら許してくれますか?




独占欲にまみれたキス……嫌いじゃないので。
少しだけ泳がせて隙きを見せたらまたおあずけです。




「ごめんなさい……課長のこんなキス待ってました」




あ、やり過ぎた。
固いのが当たってる。
収めてあげたいけどもうじき社長が戻って来る。
デスクに居なければ電話が掛かってくるだろう。




嗚呼……どうしよう、めっちゃ擦り付けてくる。
そんな気分じゃないのに。
戻って仕事したい。
社長を迎え入れたい。
お仕えしたい。




「課長……ここは危険過ぎます」




ほら、もう足音がして数人の話し声が聞こえてきた。
隣の会議室を使うはずだ。
タイミング……悪かったですね。
ここでお終い。




それなのに顎を上げられ強引に塞いでくる。
この状況で!?続けるの!?




「今夜……抱きたい」




消え入るような声で囁いてきた。
焦らしたいけどもうダメなの?




「先約が……」




「断って」




食い気味にかませてくるのは余裕がない証拠なのか。
これが社長との約束だって言ったらどんな顔するのかな。




「断りません……課長も他当たってください」




だって私たちはセフレだから。
優先的に選ぶ事はない。
そんな目で怒らないでください。
もう擦り付けないで。









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